予期せぬ出会い ページ39
ベルモットに連れて来られたのは、裏社会に通じる財政界の著名人達が集まるパーティ会場だった。
「ジンから紹介された男が居るんだけど、彼は色々と組織の事を嗅ぎまわってるらしいのよね。」
そう聞いて、いったいどんな奴かと思ってはいたが
なんで!?
黒初に片目を眼帯で隠し、無精髭を生やした背の高い男。
黒のタキシードに身を包み、こちらを射抜く様な視線。
シェフィールド
こいつは神坂の前の過激派
それが今、私の前に居る。
まさか、こいつに接触して情報を手に入れろって事か……
「紹介するわ、マリアよ。」
ベルモットから教えられた偽名を聞き、奴は目を見開き私を見るが、それは数秒のことで、私に握手を求めて来た。
まさか、私が高梨Aだと気付かれた?
私は一度、こいつには接触したことがある。
二年程前にシャーロットが起こした殺人事件の解決を清隆に命じられた際、邪魔をしてきたシェフィールドと交戦した。
一度だけだし、あの日は夜だった為顔は見られて居ないはず……
一先ずここで変に警戒しても返って面倒になる為、私はシェフィールドの手を取り握手に応じた。
「初めまして、マリアです。」
「シェフィールドだ。」
「この子、こういう所は初めてだから、エスコートをしてあげて。」
ベルモットの提案に、奴は頷き私の手を取ると先導し始めたのだった。
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バーボンside
「ベルモット、ビジューの顔を見てましたか?」
彼女の表情は本の一瞬ではあったが、目を見開き驚いていたのを思い出す。
「ええ、あの子の知り合いかしら。」
「僕もその様な気がします。
多分、悪い方の知り合いかと……。」
考えられるのは、ブレードチルドレンを狩るハンターと言われる組織だ。
「なるほど、ジンが絡むとろくなことにならないわね。
バーボン、やっぱりビジューを回収して頂戴。」
「言われなくても、そうさせてもらいますよ。」
ベルモットから離れると、急いでビジューが消えた方向に、足を向けたのだった。
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作者名:壱 | 作成日時:2019年1月23日 21時