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手強い相手 ページ33

バーボンに連れて来られた場所は、ベルモットが御用達にしているホテルだった。




最上階のスイートルームに着くと、久しぶりに見た彼女は相変わらずの美しい容姿で、私を出迎えた。




「会いたかったわ、ビジュー。」


「どうも。」




一先ずバーボンと共に、部屋に入る。

だが何故かベルモットはバーボンを押して部屋の外に彼を追い出した。



あれ?




「しばらく、お暇をあげるわ。

後はよろしく。」



扉を閉めて、バーボンは締め出しを喰らったようだった。



何か、ちょっとかわいそう。



少なからず、彼に対して同情していれば、ベルモットに手を引かれて、部屋の奥にへと連れて行かれた。




そう言えば、こうやってベルモットに手を繋がれることなんて、すごく久しぶりかもしれない。


あの日、偶然出会った彼女に、まさか助けられるなんて、思いもよらなかったわけだし。




ソファに促されて座ると、ベルモットは冷蔵庫を開ける。




「何か飲む?」


「何でもいい。」


「そう、ならオレンジジュースでいいかしら。」





彼女が用意してくれたジュースをもらい、一口飲む。



ベルモットは私の対面のソファに座り、私を見ていた。




「元気で良かったわ。

貴方から中々連絡が来ないから、心配していたのよ。」



「それで、バーボンを使ったの?」


「ええ。

彼に任せておけば、間違いはないでしょう。

だって貴方、私への連絡をすっぽかしてたわけだし。」



「えっ? いや、そんなこと……」



「だって、バーボンは貴方の所在を知っていたのよ。

こんなに早く連れて来てくれたわけだしねぇ?」



「それは……」



あいつ……


数分前までのバーボンへの同情はどこへやら。


しかも、バーボンに対して少なからず感謝をしていたと言うのに……




私は今、バーボンを恨んだ。



余計なことをしやがって……




「というわけで、約束通り罰ゲームね。」




「へっ?

あれ、ほんとに信じてたの!!?」



「当たり前じゃない。」



にこやかに笑うベルモットが一瞬怖いと思ったのは、気のせいか。



「丁度、ジンも貴方に会いたがってたわけだし……」




「えっ………」


嫌な予感しかしない。




「大丈夫、今のホテルは、バーボンに頼んで引き払ってもらってるから。」



「なっ!!?」




まさかその為にバーボンを外に出したのか。




ベルモットの策略に、私はまんまとはめられたのである。

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作者名: | 作成日時:2019年1月23日 21時

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