神の観察 ページ4
エクセレントホテル裏手の鉄道基地。
そこから少し離れた道端に黒のワゴン車が路駐していた。
「本当に悪趣味ですね。」
ワゴン車の後部座席に座る
その者とは神と呼ばれる男、鳴海清隆である。
そんな彼の手にするパソコン画面に映るのは、A達がいる鉄道基地内の様子だった。
鳴海清隆は画面を見たまま口角を上げる。
「実に良い収穫だよ、キリエちゃん。」
「何が分かったんですか?」
若干顔を引きつらせている彼女の気持ちはよく分かる。
30過ぎの良い年したおじさんが、花のJKを監視カメラで盗撮しているのだから。
*注
もちろん、ちゃんと意図があります。
「いやね、ちゃんと配役を設置しないといけないと言うことが分かった。
彼らは何一つ欠けては行けない存在らしいね。」
「配役……ですか?」
「そう。
ここには本来、もう一人必要な存在が居るべきなんだ。
だが、今回私はそれをあえて抜かした。」
「………!!」
土屋キリエは気付いた、この盤面から抜かされた人物を。
今回、神である鳴海清隆が用意した盤面は、
そこに用意された配役とは、
彼らは神に踊らされながらも、それぞれの思惑を持ち行動した。
だが、盤面は
それはこの神によって準備された盤面の中で、絶対的な力を持つものが居なかったからである。
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作者名:壱 | 作成日時:2019年1月23日 21時