悪魔との再会 ページ26
久しぶりにホテルに戻って来ると、ロビーで声を掛けられた。
「ヤッホー！」
若葉色の髪に黄色い瞳。
人懐っこい笑みを浮かべて私に手を振る男。
「ヒズミ……！？」
「何や？
そんな驚いた顔して….…
あっ、俺に会えてうれしいんか？」
ツカツカと歩いて来たヒズミは、私の前まで来ると、私の手を取る。
「はぁ〜やっぱAはかわええなぁ。」
「な、何で……」
何故、悪魔がここにいる？
何故、私の前に悪魔が……
「どうしたん？
体、まだ痛むんか？
清隆から聞いたんよ。」
私を心配そうに見てくれる彼に、私は大丈夫と伝える。
それにしても、あまりヒズミのことを直視出来ない。
あの男でないのは知ってる。
日に日に似て来てはいても、別人なのに、全く同じ悪魔の血が流れている者を見ると、体が反応してしまうのだ。
これは細胞レベルでの科学反応なのかもしれない。
パシッ！
「えっ！？」
私の手を握っていたヒズミの手が横から出て来た手によって弾かれた。
「離れて頂けませんか？」
私の手を握ってくれた昴さんは、私を背に隠すように立ち、私とヒズミの間に立って壁となった。
「何や、兄ちゃん？
どいてくれへんか？
俺はAに用があるんや。」
「Aさんは嫌がってるみたいですけどね。」
「…………はぁ。
せやな。」
「貴方は、誰なんですか？
もしかして、貴方もブレードチルドレンなんですか？」
「俺が、ブレードチルドレン？
まぁ、そう考えてもおかしくはないんやけど……
俺ははなぁ、教えたる！
Aの未来の旦那さんや。」
「はい？」
何故か昴さんの手を握る力が強くなる。
絶対に離さない。
そう言われている様に感じた。
と言うか、ヒズミは私達が結婚出来るってずっと思っているのかしら。
そんなこと、出来るはずないのに……
「兄ちゃんこそ、何者や！
Aの手、握って！」
「僕は、Aさんの彼氏ですよ！」
「はいっ？」
思わず私は声に出していた。
か、彼氏……？
何か強引過ぎないか？
と言うか、勝手に決められてるし……
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作者名：壱 | 作成日時：2019年1月23日 21時
