神の見解 ページ22
監視モニター室にて
「何故、あの男の行動を止めないのですか？」
彼はモニターに映るAと沖矢昴を見ていた。
二人は丁度施設を出て駐車場に向かう所である。
「止める？
そんな必要があったかな。」
「惚けてますね。
ヒズミにAの泊まっていたホテルを教えたのに？」
「知ってたのか。」
「ヒズミが嬉しそうに電話して来ましたから。
“これから将来のお嫁さんに会いに行くんや〜キリエちゃん羨ましいやろぉ〜”と言ってたので。」
「そうか、ヒズミがね。
きっと昴君を見たら、ヒズミは彼を殺そうとするかもしれないね。」
まるでそうなることを楽しむかの様に、鳴海清隆は笑う。
「では、沖矢昴を排除するつもりですか？」
神は口角を上げる。
「そんなことをしたら、彼が黙っていないだろう？」
「彼？
例の少年……ですか？」
「そうだね。
それに、私がいつ昴君を排除すると言ったかな？
これからが面白いんだよ。」
「これから？」
「そうだよ。
それに次は彼らのターンだ。
そこでAが気付いてくれるといいんだが……
自身の存在がどれほど、周りに影響を与えているかを。」
鳴海清隆は土屋キリエにある写真を渡す。
「この女……例の……」
「厄介なことに、仲間と共に色々とブレードチルドレンのことを嗅ぎまわっているようだ。
彼女の行動には特に注意してくれ。」
その写真には世界的有名女優の娘、クリス・ヴィヤードだった。
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作者名：壱 | 作成日時：2019年1月23日 21時
