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目覚め ページ16

目を覚ますと、視界一杯に昴さんの顔があった。



えっ?


何?


どういうこと!?



それに唇に柔らかい感触があって………



目と目が合った私は固まる。




私から離れた昴さんは、今度は私の体を抱きしめた。



ひえっ!!



なになになにっ!!?





「Aさん……良かった。」





痛い程ぎゅっと彼に抱きしめられる。



心配してくれてたのかな。




それが伝わって来て、私は昴さんを安心させようと彼の背中に両手を回して、優しくトントンと叩く。




聞きたいこともあるし。



気付いてくれた彼は私から離れた。





「昴…さん、あの、ここは……?」




見覚えのない場所で、病院の様な個室だった。






「セイバーの保護施設だそうです。」




「えっ!?」





まさか彼からそんな言葉を聞くとは思わなかった。





「鳴海清隆さんの計らいで、ここまで連れて来られたんです。」




清隆が!!



私は思わず体を起こそうと動く。


だがそれは昴さんに肩を押されて遮られた。




「まだ体を起こすのは良くないですよ。

じっとしていて下さい。」




「はい……」



何か黒い笑顔なんですけど……

怖い。




あっ、そう言えば、あの子は無事なのかな。





「ねぇ、シャーロットは無事なの?」



彼女のことは気になっていた。



二年前に起きたオルゴール連続殺人事件の犯人であったが、心停止を起こし死亡しかけたシャーロットは深い眠りについていたというのに、目を覚ました途端、病み上がりであろう彼女は清隆の所為で前線に引き出されたんだ。


いくら強い彼女でも、体力の心配はある。




「シャーロットさんは大丈夫ですよ。

今は隣の部屋で療養中ですが、至って健康なようです。」





「そう、良かった……」




「Aさん。」



名前を呼ばれて昴さんに顔を向けると、彼の顔が間近に迫る。



「えっ、あの……」



「僕は貴方のことを心配したんですよ。

僕を逃す為とはいえ、あんな危険なことをして……」



表情は温厚そうに見えてこの重圧は何だろうか。



「それは、ああするのが手っ取り早いし……」



爆弾を爆発させて吹き飛ばすって、確かに危険な方法だけど、あの時は仕方無かったし……


しかも爆破してから何故か偶然上から鉄材が降って来たし。



多分、神坂が仕掛けたトラップだったのだろうけど。



もし、あのままトラップの餌食になっていたら、私は即死だったかもしれない。

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作者名: | 作成日時:2019年1月23日 21時

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