memories ページ11
私と同じ様に大切な家族を失ったブレードチルドレンがいた。
*
大好きだった。
私の大切なお姉ちゃん。
血の繋がりがあるんじゃないかって言うくらい、そっくりな見た目だったのよ。
私達は本物の双子の姉妹の様に仲が良かったと思う。
*
大人しくてしっかりした妹と、体が弱くて病弱だけど心の大きな持ち主の姉だと、後に神は語っていた。
*
でもね、悲劇が起きたの。
ブレードチルドレン
そんな理由だけで、私達は永遠の別れとなった。
大好きな姉を失った私は、私から姉を奪った存在を憎んだわ。
*
「それが、貴方のことなのシャーロット?」
「そうよ。
何故なのかは分からないけど、貴方を前にすると話してしまうのね。」
「……辛かったね。」
「貴方と比べたら、私なんて……」
「シャーロット、辛さはその人にとっての尺度でしか計れないよ。
人それぞれの考え方が違うようにね。
だから、辛さの大きさなんてその人にしか分からない。
と分かってはいても、私も貴方と同じで他と比べちゃうんだけどね。」
「そうね。
貴方だけよ。
そう言ってくれるのは。」
そう微笑むシャーロットの姿は今でも忘れない。
悲しそうに笑うその横顔は、なんとも儚くそれでいて綺麗だった。
「“
妹は姉の言うことを聞くものだ!”
そう言って、体は弱いのにいっつも私とずっと話したり遊んだり……
私がブレードチルドレンだと知らされても
“私の妹はシャーロットだ!
何者にも変えられない私の妹だ!
誇りに思え!”
そう言って誇らしげに高らかに笑うのよ。」
「本当にお姉さんのことが大好きだったんだね。」
「ええ、大好きだった。
雪音ちゃんは、私と言う存在を見てくれたから。
私を否定せず、私の居場所になってくれた。
私なんかよりずっとずっと、強い人だった。」
「私も負けちゃいそうだね。
お姉さんにはきっと敵わないなぁ。
人は体の強さが全てじゃない。
心が強くある人を、真に強い人なんだって分かった気がする。」
「そうね。」
これが私とシャーロットの思い出。
この後、彼女は深い眠りにつくことになる。
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作者名:壱 | 作成日時:2019年1月23日 21時