Storyー悪魔 ページ10
私は一旦話しをやめて俯く。
多くの仲間を失った。
この時に、私は両親も亡くしている。
彼らは、私の本当の両親ではなかったけど、私の本当の子のように可愛がってくれて、私を正しい道へ導こうとしてくれた。
そんな人達だったから。
私は顔を上げる。
「私を含めてね、多くのチルドレンが理解させられたの。
自分達は呪われた存在だって。
生きてちゃいけないんだって。
子どもながらにね、そう考えていた。」
コナン君も沖矢さんもただ黙って聞いてくれていた。
自分の話をするのは辛いけど、それだけでも心は救われる。
「血と凶器と爆風の中で、殺される経験をしたら、嫌でも理解したよ。
まあ中には幸運にも、抗争に巻き込まれず、明るく暮らしている子もいたけどね。
でもそうでない子達は、色々歪んじゃったり、自ら命を断とうとした子もいた。」
「その後はどうなったの?
ずっとハンターの人達が、優位に動いてたわけじゃないよね?」
コナン君の問いかけに、私は頷く。
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所詮はヤイバの暇つぶし。
人間にヤイバは殺せないと。
だが、どういうわけか、ヤイバを殺すことができなかった。
時にヤイバは、殺してくれと言わんばかりに、その身を
だが、殺せなかった。
どれ程の凶刃、爆薬、銃弾がヤイバの身を迫っても、全て無効になった。
信じられないような、強運、偶然の連なりがヤイバを守った。
ヤイバの望みように作用した。
そう、得体の知れない者がヤイバを守っているかの様に。
けれど、破局はあっけなく訪れた。
この抗争で、ヤイバに関わる者は恐怖と共に認識させられた。
あれは、人間の姿をした“悪魔”だと。
そしてヤイバの支配力は一層強くなり、第二次以降のブレードチルドレン計画が、再動しようとしていた。
殺せたはずのブレードチルドレンも、ヤイバが組織立って保護を固めさせた。
そう、人間に黄昏が落ち始めていたのだ。
だが、そんな時不意に一人の二十歳の日本人男性が現れた。
彼こそが、後に神と呼ばれる男である。
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作者名:壱 | 作成日時:2018年6月16日 14時