Storyー悪魔 ページ6
一人の支配者では人間は滅ぼせないだろう。
だが、その支配者が大きな集団となり。同じ意思や本能で統一されていれば….…
人間を滅ぼせと言う意思で、ヤイバの血がチルドレンを縛っていたならば……
人間より優れ、凶暴で意思統一がされて増殖する支配者集団があれば、どれ程抵抗しても、いずれ人間は滅びる。
現生人類がネアンデルタール人を駆逐したように……
そして、組織内部で、ヤイバに直訴に行った者たちは知ることになる。
ヤイバは微笑んで彼らに語り出した。
造物主とその気まぐれの話しを……
そして彼はこう語ったのだ。
「我が意志は人間の駆逐
我が血はこの意志を伝える。
成人したブレードチルドレンは人間を滅ぼす様に行動する。
逃れようなく。」
ヤイバの血は、世代を超えて人間を支配し、排除する力と意志を発現させ続ける。
現代の生殖技術も使って爆発的に広がっていく。
それが人間を殺し尽くすために考えられた“造物主”の方法だった。
聖書によれば最初の人間アダムは、肋骨が一本欠けていたと言われている。
そのたったひとりの人間がやがて血を満たし、多くの生物をその能力と凶暴さで、絶滅させて来た。
ヤイバも生まれつきアダムと同じ様に肋骨を一本持たない存在だった。
そう、新たな地の支配者の印を持っていた。
ヤイバは、自分の血族で地を満たし直そうとする、人間にとっての“悪魔”だったのだ。
その新たな
“ブレードチルドレン”
人間より優れた能力と凶暴性を持つ、新たな人類。
人を滅ぼすヤイバの血に呪われた子ども達なのだ。
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「肋骨が一本ないことが、呪われた烙印だって言ってたけど、その理由が分かったよ。
でも、やっぱり信じられないよ。
人類を滅ぼすとか……」
「うん、そうだよね。
私もだよ。
でも……なんとなくねわかるの。
この手が殺したがるのが。」
私は両手を見つめる。
この手は人を殺すことに長けた手。
小さい頃から、暇さえあれば、私は命あるものをその意思に関係なく殺していた。
あの時は分からなかった。
それがいけないことだって。
両親に言われて分かった。
だから、この手は意識してないと止められないのだ。
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作者名:壱 | 作成日時:2018年6月16日 14時