GameーGunman！2 ページ44
撃ち抜かれた右肩の痛みに顔を歪める。
先程打たれた所と同じ場所を狙って来るのはタチが悪い。
「くっ……」
だが、直ぐに動かなければならない。
私は肩を庇いながらも、カノンの左肩を狙うと打つ。
パン！
カノンもまた、右手を負傷してはいるものの、右肩を狙って打った。
パン！
先に相手の動きを封じれば、余裕で心臓を狙える。
私は自分にそれを言い聞かせて、大きく右回りに走った。
カノンもまた大きく左回りに走る。
私はキュロットのポケットから擬手榴弾を出すとピンを抜き投げた。
プシュッ！！
瞬く間に辺り一帯を煙が立ち込める。
本物だと、爆発するけど、今のは煙だけ。
発煙筒代わりになる。
私は大きな木を見つけて、そこに隠れた。
すかさず、暗視スコープを出す。
片目だけだけど、これは熱を可視化する為、昼間でも使えるし、霧や煙の中でも使える。
私は気配を押し殺し、辺りをスコープで見る。
特に他の気配はない。
私は周囲に注意しながらゆっくりと動く。
「！」
前方の木の陰から、コートの先が見えた。
私はリボルバーを、構えて警戒しながら、その木に近づく。
ある程度の射程距離まで近づいた。
スコープをしまい、もう片方の手にはナイフを持つ。
そして
ザッ！
私はナイフを投げた。
同時に、右に逸れて目標の木に回り混む。
「えっ！！」
木にはコートが掛かっていただけで、人は居なかった。
パンッ！
辺り一帯に一発の銃声が鳴り響いた。
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作者名：壱 | 作成日時：2018年6月16日 14時
