GameーGunman！1 ページ43
薄暗い森の中をお互いに無言で進む。
そして周りの木々がなく、少しひらけた場所にへとやって来た。
コナン君達は、ちゃんと逃げてくれたよね？
昴さんや安室さんがいるなら、大丈夫かな……
「A、抜きなよ。
ゲームはいつものでいいかな。」
「そうだね。」
私はパーカーの裏ポケットからグロックを出す。
装弾数は6発。
内、3発はゴム弾。
流石に日本で全発実弾はまずいかなと考えて、いつもゴム弾や先程使っていた煙弾を入れている。
さらに、隠し持っている自動式拳銃には、実弾5発がはいっている。
それと、ナイフ型拳銃もあり、実弾2発。
ナイフの持ち手の先に銃口があり、中に球が２つ装填されている。
後は擬手榴弾。
本物ではないので、爆発はしないが、煙が巻き起こり、発煙筒代わりになる。
武器を確認し終わり、私達はお互いに距離を取り、向かい合って立った。
そして私はグロックをカノンに向かって構えた。
「懐かしいね、A。
昔、よく遊んだね。」
カノンもまた、私に銃口を向けていた。
「そうだね。
貴方は確か一度も、私に勝ったことがなかったわね。」
私がそう言えば、カノンは笑う。
「君の腕は、実に素晴らしかった。
でも……
もし僕が手を抜いていたらって、考えたことはなかったかい？」
「確かに一度も、お互い本気でやりあったことはなかったわね。」
私も微笑み返す。
そして、私はいつも持ち歩いている金色のコインを一枚手に取り、カノンに見せた。
「合図は、これで。」
カノンが頷いたのを確認し、私はコインを指で弾くと宙に飛ばした。
ピンッ！！
よく昔遊んだガンマンゲーム。
お互いの腕の高め合いを競うために始めたゲームだった。
銃を使用する場合、弾はゴム弾。
どちらかが、左胸部の心臓のある位置にゴム弾を当てられたら、終わり。
当たった方は負け、当てた方が勝ちという、単純な打ち合いゲーム。
ルールは何でもあり。
何を使うもよし。
ナイフもありだが、勝敗を決めるのは、心臓に当てられたかで決まる。
パチン！
コインの落ちる音と共に、瞬時にカノンの右手をリボルバーで撃ち抜く。
パン！
だが、それは向こうも想定していたようで、私の右肩は撃ち抜かれたのだった。
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作者名：壱 | 作成日時：2018年6月16日 14時
