決裂3 ページ41
「理緒は狩らせない……絶対に。」
そうカノンに伝えれば、彼は呆れた様な表情をする。
「君の意見は、もういいよ、先にあの世に行って待っていてくれ。」
カノンの銃口は、私から逸れて、左に向けられる。
まさか!!
私は瞬時に動いて、左側に移動する。
パンパンッ!!
二発の銃声が鳴り響いた。
「Aお姉……ちゃん……!?」
きっと予想していなかったのだろう。
驚きの表情で私を見るコナン君に、私は微笑む。
「だいっ、じょうぶっ……
今のうちに、にげてっ……」
「そんなことっ!!」
彼は優しいからできないって言いたいのだろうけど、その言葉を遮る様に、コナン君の唇に、自分の人差し指を当てた。
「お願いっ……巻き込ませ、たく…ないのっ。
だから…にげ、てっ……!!
はやくぅぅっ!!」
最後の方は自分でも驚くほど思いっきり叫んでいた。
そして持っていたグロックを素早く真下に向けて、引き金を引く。
パンッ!!
辺り一帯が瞬く間に煙で覆われた。
私は痛みに耐えながら、ウエストポーチから暗視スコープを取り出すと、カノンを見つけて、素早く彼の手首を掴んで引っ張る。
「ゲームよ、カノン!!」
「いいよ、君とのゲームで決着をつけようか。」
そう言って口角を上げて笑う彼は、もう私の知る優しい彼ではなく、悪魔を宿した者の様に見えた。
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作者名:壱 | 作成日時:2018年6月16日 14時