決裂1 ページ37
闇に帰すとは即ち、私達の死を意味する。
呪われた存在はこの世に存在してはならない。
カノンはそう考えて、私達ブレードチルドレンを狩る者として、行動しているのだ。
そしてカノンは、私にブレードチルドレンの狩に手を貸せと言う。
もちろん、答えは決まってる。
「断るわ。」
「そっか……残念だなぁ。」
悲しそうな顔をして、カノンは俯く。
だがそれは一瞬のことで、カノンは顔を上げると笑った。
「振られちゃったんなら、仕方ない。
そう言って、カノンは私の手首を掴み返して拘束から逃れると、目にも留まらぬ速さで左手を動かして私の元に伸ばす。
瞬時に体を捻って交わすが、それを予想していたかの様に、彼の反対の手には袖に隠し持っていたであろう、ナイフがあり、辺り一帯に銃声が鳴り響いた。
パンッ!!
「できることなら、僕と共に来て欲しかったんだけどね。」
私は肩を抑えて蹲る。
周囲に飛んだ血飛沫。
そして肩からの出血は、腕や手を伝い、血がポタポタと地面を赤く染めていく。
ゴトッ
痛みにより、手に持っていたグロックが落ちた。
「Aお姉ちゃん!!」
「「Aさん!!」」
コナン君達の声が聞こえるが、私は下からカノンを見上げる。
「動かないで下さいね。」
そう言って、カノンはコナン君達に牽制を掛けた。
何故、カノンは狩る側に固執するのか、私達は共に手を取り合い、あの大人達に立ち向かうべきじゃないのか。
何故、そうまでして……
「カノン……戻って来る気はないの?」
彼は首を振る。
「僕の答えは変わらないよ。
闇に帰る……それが、この世界に生を受けた僕達の責任なんだ。」
カノンの片手にナイフ型ピストルと、もう片方の手には拳銃があり、鈍く光る銃口が私に向けられていた。
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作者名:壱 | 作成日時:2018年6月16日 14時