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死神からの誘い ページ36

パーカーの裏ポケットからグロックを出し、グリップを握る力を強める。



近くの木の影に隠れ、私は息を押し殺した。



カサッ!




すぐに音のする方に視線を向ける。




「あっ!!」



「なっ!!?」


何でコナン君!!?



私は驚きで開いた口が塞がらなかった。



しかも彼の後ろには沖屋さんがいる。



何故ここに?


いや、そもそもどうやってここまで来たんだ。




「やっと見つけたよ、Aお姉ちゃん。

怪我はないみたいだね、よかった。」



いや、こっちは全然良くない。



「何でこんな所に……今すぐ帰って!!


そうじゃないと……!!!」



またしても感じた気配、それは殺気の混じったもので、この殺気は狩人(ハンター)特有のものだ。




そうして私は、その存在を見て凍りつく。





「やあ、久しぶりだね……A。」





にこやかな笑顔を向けて、こちらに近付いて来た存在は、私に手を振る。




だが、それ以前に……



何故、安室さんと一緒にいるの!!?




「Aさん、捜しましたよ。」




私は素早く動いて、やって来たその存在の手首を掴む。




「どうしたんだい、そんなに慌てて。」


彼はニコニコ笑い、私を見ている。




「何で、貴方がここにいるの?

しかも、何で安室さんと一緒に?

答えて……」



相手は私よりも背が高い為、見上げる形になる。


私は彼に睨む様な視線を向けた。




「怖いなぁ、そんな顔をしないでよA。

久しぶりなんだから、君の笑った顔を僕は見たいかな。」



そう言って彼は笑顔のまま、私に言う。



「カノン……早く答えて。」



私はグロックの銃口をカノンに向ける。




「タイムタイム!!」



片手を挙げて、降参のポーズを取るカノンだが、私は銃口を下ろさず、じっとカノンの様子を伺う。




「いやあ、安室さんが困っているのを見かけたから、手助けしたくなったんだよ。

ほら、清隆が目をつけた小さな探偵君の、知り合いならね。」



カノンの視線がコナン君に向けられる。


なるほど、カノンも清隆からコナン君のことを聞いているのか……



「じゃあ、何で今日はここに来たの?

貴方の言う、手助けだけじゃないんでしょ?」



そう問いただせば、カノンは笑って頷く。




「勧誘にかな。

皆んなを闇に返すためには、君の協力が必要なんだよ。」



そう言って、カノンは笑う。



それは死神からの誘いだった。

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作者名: | 作成日時:2018年6月16日 14時

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