Gameー抗争と奪還10 ページ34
「理緒！」
「Aちゃん！」
救出した理緒を抱きしめる。
よかった……助け出すことができた。
「どうやって最上階にてまで上がって来たんですか？」
お下げ髪の女の子_______ひよのに対して、亮子は解説し始める。
「
私達の作戦はこうだ。
照明を落として、奴らが痺れを切らしてエレベーターに乗って上に上がって来るのを、私達は待っていた。
エレベーターの通り道となる、壁の隙間に、壁を背に立って。
そして、下から上がって来たエレベーターの上に乗り、そのまま私達は上に移動する。
最上階に上がる前に耐震用のエレベーターの装置を作動させる為、エレベーターの上で、飛び跳ねて、エレベーターの移動を止めた。
その隙に、最上階にエレベーターの上部分が止まり、私達は最上階に移動でき、理緒達を救出できたというわけだ。
なぜ、エレベーターが動くことが分かったのかといえば、単純なこと。
あんなにめんどくさいトラップを仕掛けるためには、エレベーターを使わないと大変だ。
爆弾やドラム缶、地雷を設置するのに、階段で移動して各階を回るのは一苦労する。
そこに目を付けた鳴海弟は、この作戦を私達に授けてくれたのだった。
_____________________________________
一階エントランスに戻って来た私達。
「そう言えば、初めましてですよね？」
「あっ、そうだね。」
ひよのという女の子は、私に笑顔を向ける。
「助けて頂き、ありがとうございます。
あの、私…
「私は、高梨Aだよ、理緒のお見舞いだったんだよね、ありがとう。」
「いえいえ。
もしかして、Aさんも、ブレードチルドレンさんなんですか？」
「うん、そうだよ。」
「皆んな走れ！！」
突然血相を変えて鳴海弟が叫ぶ。
まさか……
私は携帯画面を見る。
圏外じゃない！！
「電波妨害が解除されてるよ！！
今なら無線でいくらでも起爆できる！！」
「理緒、俺の背中に！！」
香介はしゃがみ、理緒を呼ぶ。
「うん！！」
私は理緒が香介の背中に乗れるよう介助すると、香介と共に出口目掛けて走り出したのだった。
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作者名：壱 | 作成日時：2018年6月16日 14時
