Gameー抗争と奪還1 ページ25
時刻は18時10分
一階エントランス
明るい室内を私は見回す。
電気は繋がっているのか…………
プルルル…….プルルル……
突然室内に響いたのは電話の音だった。
「誘導しているつもりか」
鳴海弟の視線の先には受け付けに置かれていた白いコードレス電話機があった。
「誘導だと、ふざけやがって。」
怒っている香介に対して
「いいからさっさと電話に出なっ！」
ガツン！
亮子の蹴りが、香介のお尻に炸裂する。
あっ、亮子ナイス蹴り………
前に、倒れそうになった香介は、お尻を抑えなが、渋々受付の受話器を取りに行った。
私達もその後を追う。
ホテルに入ったと同時に、電話って……
この手厚いサービスは、監視カメラで私達の行動を見ていないと出来ないに違いない。
そんなことを考えながら、香介の後ろに立つと、電話内容を聞くために、聞き耳を立てる。
ガチャッ
ピッ
香介が電話を取ったと同時に何かの作動音が聞こえた。
何？
あの電話は有線タイプ。
受話器を取ると同時に仕掛けが掛かるようになっているのかもしれない。
そうなると…………
《人質は最上階…………》
受話器から漏れ出た声が聞こえる。
私は瞬時に階段あるいはエレベーターを探す。
あっ！
螺旋階段を発見した。
《残念だ。》
「おい、残念ってどういう意味だっ！」
ブチッ
ツーッ、ツーッ、ツーッ
電話終了。
ピッ
ピッ
ピッ
「何か音が聞こえるよ。」
亮子は気付いたようだ。
おそらく、これは…………
「みんな！
急いで上にっ！！」
「さっきのは起爆装置の音だっ！
行くぞっ！」
さすが、鳴海弟も気付いたようだね。
私達は急いで螺旋階段の元に向かうと、階段を駆け登る。
ドカアァァンッ！
「マジかよっ！」
「いいから走れよ香介っ！」
香介と亮子の痴話喧嘩は聞き流し、階段を駆け上がる。
最上階にて
ツインテールに、パジャマ姿の理緒は、椅子に縛り付けられて、身動きが取れずにいた。
そんな彼女の背中側には、おさげで制服姿のひよのが、同じ様に椅子に縛り付けられていた。
「ひよのさんが巻き添えになったとしれば、弟さんが黙っていませんから。」
「理緒さん、私、ちょっとは役に立ったみたいですね！！」
「えっ……？」
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作者名：壱 | 作成日時：2018年6月16日 14時
