小話 ページ16
「それ、ゴム弾でしょ？
鉛か何かをねじ込ませて作ってあって、致死率は限りなく低い弾だよね。」
バーボンから聞いてるのか。
全く、コナン君は怖いね。
だが、残念。
こんなこともあろうかと、エスケープはしっかり用意してるんだよね。
私は沖矢さんから銃口を少しずらすと、引き金を引いたのだった。
パン！
瞬く間に室内を煙が立ち込める。
自作の煙弾をエスケープ用に積んでいたので、良かった。
私は急いでその場を後にした。
____________________________________
【コナンside】
パンッ！
発砲音と同時に、瞬く間に室内に煙が立ち込める。
俺は急いで態勢を低くすると、ハンカチを口元に当てながら、窓に向かった。
すぐに窓を開けて煙を外に逃がす。
ピッ
「頼んだぞ、キャメル。」
赤井さんは事前に呼んでいたキャメルさんに追跡をお願いしたそうだった。
キャメルさんに追ってもらえば、俺たちはGPSでキャメルさんの位置を把握出来る。
「煙弾か……」
昴さん(赤井さん)の手には先端が花弁の様に裂けたゴム筒と空薬莢があった。
「ゴム筒の中に、発煙物質と、少量の火薬をいれて、薬莢で塞ぎ、ゴム筒の先端から後ろに掛けて切れ目を入れてるようだな。
発砲とともに出力によって空気圧で、先端が裂け、熱されたことによって、発煙物質が化学反応を起こし、煙が出る仕組みになってるのだろう。」
「弾を見ただけでそこまで分かるのは、やっぱりすごいね。」
「職業柄だからな。
それより、これを作った彼女の腕に驚かされる。」
「えっ？
手作り？」
「ああ。
これは改造弾だな。
普通、出回ってない代物だろ。」
なんか赤井さん、楽しそうなんだけど。
そう言えば前にも、Aお姉ちゃんが持ってた改造銃器を見て、心踊るって言ってたし……
「赤井さん、キャメルさんは？」
「今、米花駅に向かっているようだな。」
「米花駅……
もしかして、捕まった仲間の一人って、入院してる人なのかな？
Aお姉ちゃんが最近電車を使ったのなんて、面会の時くらいだよね？」
「俺達が知る範囲ではな。」
「一先ず、Aお姉ちゃんを追いかける？
関わって欲しくないみたいだったけど、そうなると……」
「また殺人に手を染めるだろうしな。」
俺達も工藤邸を出発したのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 66人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：壱 | 作成日時：2018年6月16日 14時
