嫌悪 ページ46
「用心深い性格なのか？」
こっちの心理を読もうとして来るあたり、こいつの目的が探りであると分かる。
バーボンと一緒か。
本当に面倒くさい。
「何が狙いなの、おじさん。」
そう嫌味を込めて言ってやれば、赤井さんは一言余計だと話す。
案外気にするタイプ？
まあ、そんなことはどうでもいい。
「言っておくけど、ブレードチルドレンのことは、今はまだ話すつもりはないから。」
「そのことは今じゃなくてもいい。」
そう言って、赤井さんはベッドから立ち上がると、私の元にへと近付いて来る。
私はそれに対して特に逃げることはしなかった。
だが、私の目の前に立つ男を見上げる。
もちろん警戒心を解くことは止めない。
「何？
次、何か攻撃を仕掛けて来るなら、それ相応の対応を取らせてもらうけど。」
そう言えば、赤井さんはじっと私を見ていた。
何なの、この男……
すると、赤井さんの手がゆっくりと私の方にへと伸びる。
私はその手から視線は逸らさずさじっと見ていた。
そして彼の手が、私の頬に触れる。
！！？
その奇怪な行動に、私は目を見開いた。
こいつ、何がしたいんだ？
「目の色が違うな……」
私はその言葉に凍りつく。
「この間は、茶色だったが、今は黄色。
日中は緑にも見えたか……
綺麗な目だ。」
その言葉の直後、私は赤井さんの手を払い退けていた。
パシッ！
「これが、綺麗……？」
自分でも思う。
目のことを言われるのは、好かない。
寧ろ吐き気が出るほど嫌なこと。
何も知らないとはいえ、目のことを口にした赤井さんに、殺気を向けた。
「おじさんさあ、あんたの目はとことん腐ってるよ。
この目が綺麗なわけない。
汚くて、醜い目なんだから。」
そう言うと、私は赤井さんを睨む。
唖然とした表情をして、見ている男に対して、私はドアを指差す。
「うちに帰れ。
あんたの顔が視界に入るだけで、目障りだ。」
そう伝えて、私は赤井さんに対して背を向ける。
その直後、彼は室内から出て行った。
少し感情的になり過ぎたのは分かってる。
赤井さんには申し訳ないことをしたというのも。
でもそれ程までに、目のことを言われるのは嫌なんだ。
何せあの悪魔が、自分の欲望を叶える為に、私を
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作者名：壱 | 作成日時：2018年5月11日 20時
