制約2 ページ39
「コナン君….…
神である清隆はね、貴方の力が知りたいの。
だから貴方に対して極限まで追い込み、貴方の中に眠る力を引き出そうとさせるはず。」
「僕の力？」
「そう……
だからきっとそのゲームは、ただのゲームじゃない。
神は私達にある制約を設けるはずだから。
その制約の元でゲームを行えとね。」
「それはどんな制約なんだね？」
叔父さんの言葉は私は一瞬話そうか話さないか躊躇った。
でも、彼はある意味異端者だ。
そもそもこの盤面に元々居なかった者。
なら、先にその制約を話してもいいのかもしれない。
そう思い、私は口を開いた。
「“その者に対して、天使の公正さを持って戦いと勝利の機会を与えるなら、悪魔の様な狡猾さで、その命を奪うことも辞さない”
これが、清隆の言う制約だよ。」
そう伝えれば、コナン君は少し考えると、私を見る。
その瞳は、いつもの幼い瞳ではなかった。
そうあの時の瞳。
私が用意したゲームの推理をしていた時の探偵としての目だった。
「それって、相手に同じ機会を与えるなら、ズルも騙しもありっていうことだよね？」
！！
やっぱり、彼には驚かされる。
ルールの意図に瞬時に気付くとは、つくづく思う。
コナン君一体何者なのだろうと。
探偵なのは分かるが、彼は見た目は幼い少年だ。
でもその思考や発言が、年齢と重ならないと感じる時がある。
今もそうだが……
「そうだよ、コナン君。
だから貴方には、選択が出来る。」
「選択？」
「アイズも言ってたでしょ。
自分が優秀だと思う者を連れてこいと。
こっちは、今のところ私とアイズの二人。
そっちの人数は気にしないとね。」
「こっちが多くなったら、Aお姉ちゃん達が不利になるんじゃない？
それに平等じゃなくなるよ。」
「それはないよ。
これ以上詳しくは言えないけど、多分人数の多い少ないは、ゲームの勝ち負けには関係ないとは思う。
逆に、それが仇となるかもしれないしね。」
「えっ？」
驚いている彼に、私は微笑み続けて話す。
「今のは、出血大サービスかな。
だから、コナン君はよーく考えて君が扱う駒を選定した方がいいよ。
そして大事なのは、知恵と勇気と運。
それが、ゲームの勝敗を決める鍵となるのだから。」
そう、私達ブレードチルドレンが必要とする力。
それを持つ者を私達ブレードチルドレンは待っているんだ。
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作者名：壱 | 作成日時：2018年5月11日 20時
