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小話 ページ33

「Aお姉ちゃん、僕達が盗聴してたこと、気付いてたんだね。」



ベッドサイドの椅子に座り、オレンジジュースを片手に話す彼は、見ていてかわいい。


ただ、話しの内容はかわいくないが。




「うん。

あの時、コナン君が出て行く時の叔父さんとのやりとりを見てね。

それに、コナン君ならやりかねないと思ったよ。

だってコナン君は、ブレードチルドレンのことを、知りたがってたわけだし。

それならどんな些細な情報でも、見逃さずに手に入れると思ったの。」




そう言えば、彼はバツが悪そうな表情をする。


どうやら、図星のようだ。




「A、体調はどうだ?」



コナン君の隣に座る叔父さんは、私を心配そうな表情で見ている。


だから、あんまり心配させないようにしなきゃ。




「大丈夫だよ、叔父さん。

ちょっと、そこの痴漢魔が気になってしょうがないけどね。」





病室の壁にもたれ掛かり、こちらに視線を向けている、ニット帽の男と目が合った。




「痴漢魔?

赤井君がか?」


首を捻り、考え込む叔父さんに、私は笑って答えた。




「う〜ん、似てるけど人違いだったかも。」



そう叔父さんに伝えれば、赤井と呼ばれた男は、そっぽを向いた。




!!





そんな時、何かの気配を感じ取った。




私はベッドから降りると、床に手を着く。




数は1……


殺気ではないけれど、得体の知れない何かを感じ取る。


不味い……



今、この病室には、叔父さんやコナン君達がいるのに。


狩人(ハンター)……いや、観察者(ウォッチャー)か?




「Aお姉ちゃん、大丈夫?

顔色が悪いけど?」




「えっ、あっ…うん。

大丈夫…だよ。」



「大丈夫そうには見えないが。

A、何かあったのか?」



叔父さんもまた私を心配している。



顔に出ていたようだ。


あまり、叔父さんに心配をかけたくないのに。




「どうやら、客人の様だ。」




そう思っていた私の方を見て、赤井さんは口角を上げる。



この人、気配に気付いて……


しかもその笑みは、私と何かしら関連があると勘付いてるのものだろう。




私は赤井さんの視線から逃れ、閉じられた病室のドアに目を向ける。




そして立ち上がると両足を肩幅に開き自然体で立った。




いつでも戦闘態勢に入れるように。

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作者名: | 作成日時:2018年5月11日 20時

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