太陽王3 ページ4
振り返った私は、バーボンを睨んだ。
「離れてって言ったでしょ。」
「すいません。
さっきから、何かを探しているのではないかと思いまして。
お困りなら、僕の出番かと。」
出番……?
首を傾げた私に、バーボンはニコリと笑う。
「僕は探偵ですよ。
謎解きは、僕に任せて下さい。」
そう言って、私の手に持つカードを抜き取り、彼はカードを眺めた。
「ちょっと!」
私はすかさず手を伸ばすが、彼はカードを持つ手を高く上げる。
背が高い為、私の手は届かない。
こいつ……
「僕に任せてください、ビジュー。」
そう言って彼は、私の手を握ると歩き始めた。
そのまま手を引かれて歩かされる。
何でさりげなく、手を繋ぐの……
「ねぇ、離してくれない?」
「それは出来ません。」
先程から繋がれた手は未だ離れず、そのままであった。
「私と一緒にいたら、貴方は死ぬのよ。」
「それは困りますが、僕もそう簡単にやられる程、ひ弱ではありませんよ。
それに、手を離したら、貴方は一人で行ってしまうでしょう?」
まあ、そう言われればそうだ。
「ベルモットから、貴方を守るように言われていますので。」
そう言って彼は微笑むと、前を向いた。
私は隣を歩くバーボンを見る。
私から見れば、この人はただの人間だ。
多少、ただの一般人と比べれば、特殊な人間かもしれないが……
それでも私と比べたら、非力で何の力も持たない人間であることに違いはない。
だから、何とかして彼を引き離さなきゃいけないのに。
死んだ両親の二の舞になってしまう。
私と関わった両親は、私の所為で
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作者名:壱 | 作成日時:2018年5月11日 20時