神の一手 ページ24
東都タワー
その天文台に、銀髪の青年が現れた。
彼の銀髪は肩に着くぐらいの長さであって、歩く度に風に靡き、タワー内の照明によってキラキラと輝いていた。
彼は黒いロングコートに身を包み、サングラスをかけている。
そうして、展望台に着くと、待ち合わせをしていたのか、ある男性に近付いて行った。
「やあ、アイズ。」
男性は、微笑み声を掛けた。
茶髪の肩に着くまでの髪を後ろに一つで結んでいる。
彼は黒いスーツに身を包み、青年と同じくサングラスを掛けていた。
サングラスの所為で、お互いの表情は分かりにくい。
「清隆、要件はなんだ?」
銀髪の青年、アイズは、清隆と呼んだ男性に顔を向ける。
「今度の君の日本公演に、Aのお気に入りを招待して欲しい。
彼女が気に入るその少年、彼の力を見たくてね。」
「知っていたのか。」
「君達の行動で知らないことはないさ。
特にAね。
何せ彼女は、我が愛しの
「……Aは、年上には眼中なしと聞くが。」
「そうだったね。
いや、分からないよ。
以外と年上好きかもしれないし。
まあ話はそれだが、君の公演に、その少年…“神と似て非なる者”を呼びたいんだ。
アイズだって、彼の実力が気になるだろう?」
「俺は清隆の意思には逆らえない。
清隆がそう言うなら、その少年を呼ぶまでだ。」
「うん、宜しく頼むよ。
Aは、杯戸中央病院に運ばれた。
彼女の親戚がFBIのようでね。
彼女の病室には、その関係者もいるかもしれないが、必ずそこにその少年もいる。」
「なるほど。
招待人数は、その少年だけか?」
「いいや。
彼の周りにいる駒もまた、貴重な人材だからね。
VIP席を与えてあげてくれないか。
それなら、何人でも入れるだろう。」
「分かった。」
「因みに、Aの分のチケットは、既に渡してある。
ある人に渡したから、その内Aに届けてくれるだろう。
彼女にもそう伝えてくれ。
お楽しみだとね。」
「そのように伝えておく。」
「それと、ゲームは君達に任せるよ。」
「俺達ということは、Aも入ってるのか?」
「そうだ。
電話があったんだろう?
爆弾の注文が。」
「清隆、お前は本当に恐ろしい男だな。」
「ああ、自分でもそう思うよ。」
その後、二人は展望台から姿を消したのだった。
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作者名:壱 | 作成日時:2018年5月11日 20時