太陽王2 ページ3
大きな看板地図を眺めて、私はカードに書かれた暗号に目を向けた。
“太陽王の眠る地”
私だけを殺すのに適した場所として、設定しているに違いない。
無差別に関係の無い人間を殺すのは、
私だけを殺せる場所。
そうなると予想できる殺し方としては、爆殺か射殺か狙撃の可能性が考えられる。
爆殺であるならば、その場所はきっと人目につかない場所の可能性があるし、射殺、狙撃も同様である。
付け加えて周りに高い建物がある場所ならば、狙撃は容易だろう。
私なら、後者を選びたい。
ただ注意したいのは、その場所がこの園内の中か外、どちらであるかかだ。
これに関しては多分園内の中だろう。
外なら、園内から出た時に、私の前に落とせばいいだけのことであるし、わざわざ園内を歩いている私の前に、このカードを落としたのだ。
それから考えると、やはり“太陽王の眠る地”とは、園内のどこかで考えていいと結論付けられる。
場所はまだ特定出来てはいないが。
「ほう、太陽王ですか……」
背後から聞こえて来た声にはっとして、私は勢いよく振り返る。
そこには顎に手を当てて、何かを考えている様な表情をしている、バーボンが立っていた。
こいつ、何で私の後ろに……
気配を消して近付いて来たのか。
嫌がらせにも程があると言いたいが、接近に気付けなかった私にも非はある。
だが、まさか私が気付けないなんて……
何でだろう。
今までにも一度だけ、似たようなことがあった。
確かその時も、接近して来るその人に気付けなかったのだ。
そう、神の頭脳を持つ名探偵
鳴海清隆に。
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作者名:壱 | 作成日時:2018年5月11日 20時