呪われた体5 ページ20
「手紙が届いたんだよ。
私宛にな。
Aを守って欲しいと。
神の頭脳を持つ名探偵とやらに。」
私は叔父さんを凝視した。
何で、清隆が叔父さんに……
アイズには、清隆に黙っているように伝えたから、知られることなんてないはずなのに。
父さん達の情報から、叔父さんのことを突き止めたの?
でも、叔父さんと会ったのは、過去に一回だけ。
それに、父さんや母さんは、何も残していなかったはずだから、叔父さんのことが知られるはずはない。
じゃあ、何で……
いや、今はそんなことを考えてる暇じゃない。
私は叔父さんから離れなきゃいけないんだ。
そして清隆に伝えなきゃ。
叔父さんには何もしないでと。
もしかしたら、私の“神様”も清隆は気付いているかもしれない。
あの人は…
甘く見ていた結果がこれだ。
「叔父さん……
私のことは忘れて。」
「何?」
「私はあの日、死んだの。
父さんと母さんが死んだ日が、私の命日だから。
A・ブラック・高梨は、あの日死んだの。」
「彼らは何故死んだのだ。
それに……」
「私が殺したよ。」
そう言って、私は笑う。
そうだよ、私が殺したも同然なんだ。
「なっ……殺しただと?」
「そう、私が殺した。
だって私は、呪われた子だから。」
そう伝えて、私はさりげなく右手を背中に回す。
彼らに気付かれないように、ウエストポーチから、発煙筒を取り出した。
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作者名:壱 | 作成日時:2018年5月11日 20時