神の意地悪2 ページ14
薔薇園の入り口に戻ると、バーボンと鉢合わせてしまった。
げっ……
そうだった、置き去りにしたんだっけ。
「Aさん！」
彼は私の元にへとやって来る。
ちょっと、今本名出すなバカ！
私はバーボンに背を向けて走り出した。
「待って下さい！！」
私は彼の制止の言葉を無視して、走りながら腕時計を見た。
薔薇園に引き戻してから10分が経とうとしている。
そろそろ
そう、奴らは戦闘のプロだ。
私達ブレードチルドレンを抹殺する為に、準備された戦闘員達、彼らも遠距離と近距離の両刀なわけだから、近距離武器に変えて来てるに違いない。
二人の
なんで今日はこんなについてない日なんだろう。
“日頃の行いが悪いと、神様はそれを見ていて、イジワルをすんだ。”
不意に脳裏を過ぎる父の言葉に、私は笑う。
確かにそうかもしれない。
私は悪い子だよ、父さん。
だって、呪われた子なんだから。
だから、きっと神様は、私にイジワルするんだよね。
人混みを掻き分けて、走りに走った私は、園内入り口にへとやって来た。
無我夢中で走っていたから、なんとなくここに来てしまったらしい。
ちょっと疲れた。
はあ……
亮子なら、きっと走るのなんて楽勝なんだろうけど。
彼女もブレードチルドレンの一人。
抜群の運動神経と、体力を合わせ持つ。
ただ、彼女は
“殺るくらいなら殺られる方がマシ”
と言っていたかな。
殺しはしたくないって。
私だって、おんなじ気持ちだよ。
でも、私の場合は……心がそうでも体は違うんだ。
それに、どうしても
両親を、仲間を沢山殺したのだから。
一息着いた私は、歩き出す。
まあ、いいや。
一先ず近くに感じていた
そうして私は出入り口を出ようと、歩き始める。
が……
「Aお姉ちゃん！」
何でこんな所に！！？
今日は厄日だ……
メガネと蝶ネクタイを付けた小さな探偵が、視界に入ったのだった。
はあ、神様を呪いたい。
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作者名：壱 | 作成日時：2018年5月11日 20時
