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小話【沖矢side】 ページ7

「Aお姉ちゃん!!」

「Aさん!」



意識を失い、崩れ落ちる彼女を咄嗟に抱き抱える。




地面に仰向けにして、胸に手を当てていた場所を観察する為、私は手を退けた。



特に怪我をしていそうには見えない。


何かの病気なのか……



私は申し訳ないと思いながら、Aさんの着ていた服を巡り上げた。





「!!」




下着の周りの胸や腹部には、銃弾で撃たれた様な凹んだ跡や、切り傷の跡が何箇所かあった。



「坊や、どうやら彼女は本当に危険な世界で生きている子供の様だな。」





「うん……」




最近出来たような傷じゃない。


古い傷跡だった。


命を狙われていて追った傷なのだろう。


それは彼女の体を痛々しく見せた。




「一先ず、工藤邸に連れて行きましょうか。」




「そうだね。」




寝ているAさんの首の下と膝下に腕を入れ、抱き抱えると私は立ち上がった。


そんな私をじっと見ている視線に気づき、そちらに顔を向ける。




「坊や、どうした?」




「気を失って脱力しているとはいえ、昴さん軽々とAお姉ちゃんを持ち上げちゃうんだもん。

凄いなって。」




「彼女、体重が凄い軽いんですよ。」



「それって、食事もあまり摂れない程、追い込まれているからなのかな。」



「そうかもしれませんね。」




服を巡り上げた時に、体は痩せて見えた。



きっと、食事量も普段から少ないのかもしれない。



「行きましょうか。」



私達は周りを十分に警戒しながら、工藤邸にへと向かったのだった。

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(プロフ) - iwaさん» コメントありがとうございます。楽しんで頂けて嬉しいです! (2020年3月16日 21時) (レス) id: 0156f6ce77 (このIDを非表示/違反報告)
iwa(プロフ) - 先が長いので楽しみが続くのが嬉しい。無事に赤井さんに落ちると良いなーと思いつつ引き込まれてます。 (2020年3月16日 16時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - マシロさん» 少しずつ修正の方も掛けていきますが、また気になる点などありましたら、教えて頂けると幸いです。それから作品に関するご感想もありがとうございます。作者の励みになっています。 (2019年4月7日 23時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - マシロさん» コメントありがとうございます。作者自身も、誤字脱字には気をつけているのですが、それでも見落としてしまうことがあるので、読者様から教えて下さることに感謝しています。ありがとうございます。 (2019年4月7日 23時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
マシロ - 面白いです!!一気に読み進めています。ちょっと誤字が気になり書き込みしました。工藤亭って出るたびどこの料亭だよ!!って内心突っ込んでいます。面白い作品ありがとうございます (2019年4月7日 23時) (レス) id: a52398d296 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年5月4日 21時

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