出来妹 ページ9
2年A組
今は数学の授業であった。
担当教員に指名されたAは前に出て、黒板に書かれた計算問題を解いていく。
綺麗な文字で数式が書かれていく様はまさに芸術であった。
「浅野さん、正解です。」
黒板から振り返り、自分の席へ戻る姿も美しく、クラスの視線を釘付けにしていた。
「浅野君も凄いけど、浅野さんもやっぱり凄いよね。」
「綺麗で可愛くて、頭も良いなんて羨ましいなぁ。」
「何でもできるよね。
料理も一流とかって聞いたよ。」
「そうそう、習い事いくつも通ってるって聞いたよ。」
「留学の経験もあるとか。」
「お部屋には、浅野さんだけの書庫があって、詩集を読んでるらしい。」
(はぁ……なんか色々聞こえる)
当の本人はというと、自分に身に覚えのない噂に慣れっこの様で
私の部屋、書庫ないし。
詩集じゃないし、ジャンプーだし。
料理、出来ないけど。
そんなことを考えていた。
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授業が終わり休み時間。
窓側の席の1番後ろに座る、見目麗しい女子生徒。
Aは、今日も周りから注目の的であった。
「今日も、可憐で美しい。
それでいて、君は温和怜悧 だ……」
「榊原君、それは言い過ぎだよ。」
微笑むAは、目の前に座る榊原と話しをしていた。
そんな姿でさえも、キラキラと輝き周囲の目を惹きつけている。
「今日は放課後は予定はあるのかい?」
「うん、知り合いの人と会うの。
久しぶりに会えるから、楽しみなんだ。」
「知り合い?
誰だい?」
「えっと、先輩かな。」
「浅野君は知ってるのかな?」
「う〜ん、特に話してはいないけど。」
榊原はそこで考える。
まさか、男!!?
Aは、窓の外に視線を向ける。
その横顔は、絵画に移る天使の微笑みだった。
(はやく、会いたいなー)
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壱(プロフ) - ちくわさん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉を下さり、励みになります。悪の大罪シリーズについてですが、実は知らなくて、すいません……。「悪の娘』とかがあると名前だけは聞いたことがありますが、分からないです。おススメ作品ですか? (2018年6月1日 21時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ - 面白いです! 悪ノ大罪シリーズとか知ってたりしますか? (2018年6月1日 17時) (レス) id: ae2f86a54b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:壱 | 作成日時:2018年2月18日 8時