父の説教 ページ7
「全く、毎日毎日……制服を脱ぎ散らかして、部屋には片付けない。
ゴミはそのまま、雑誌や漫画も散乱して、同じことの繰り返しだね。」
ソファに正座をして俯くA。
カエルの頭付きニットを被り、縮こまる。
その姿は正しくカエルだった。
そんなAの前に仁王立ちをしているのは家主の浅野學峯。
Aと学秀の父親で、椚ヶ丘学園の理事長でもある。
「だって……めんどいじゃん……」
「毎日毎日目の当たりにする私の身にもなってくれないか。」
「だって……疲れたし。
パラダイスタイムなんだから、大目に見てよね、パパ。」
因みに、Aは家の中では學峯のことをパパと呼んでいる。
學峯自身は特に気にしていない。
「はあ……
困った問題児だね。」
「ねえそれよりさ、パパお腹空いた。
ご飯!」
目をキラキラと輝かせて學峯を見つめるA。
その姿は小さな子供がパパにおねだりをする様だった。
*ここだけの話、流石の學峯もこれには弱いらしい。
「リビングにあるものと、廊下に散らばっている制服を片付けなさい。
そしたら、ご飯を準備するから。」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
やだやだやだぁっ!!
めんどいっ、疲れた、動けない!!
パパがやってよ!!」
ギロリ
學峯はAを睨む。
「うっ……睨まなくてもいいじゃん。
ケチッ、鬼畜、イジメ!!」
「部屋を散らかす方が私にとってはイジメだけどね。」
「うっ……」
「片付けないなら、ご飯は君の為に作らない。」
「わかったよぉ……」
仕方なく口をへの字にして、起き上がるA。
その後は目にも止まらぬ速さで、散らかっていたリビングを片付け、綺麗にし、廊下に散らばっていた制服を自分の部屋に片付けた。
やれば出来るのに、何故やらない。
「はあ……」
學峯はそんなAを見て、本日二回目のため息を吐いた。
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壱(プロフ) - ちくわさん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉を下さり、励みになります。悪の大罪シリーズについてですが、実は知らなくて、すいません……。「悪の娘』とかがあると名前だけは聞いたことがありますが、分からないです。おススメ作品ですか? (2018年6月1日 21時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ - 面白いです! 悪ノ大罪シリーズとか知ってたりしますか? (2018年6月1日 17時) (レス) id: ae2f86a54b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:壱 | 作成日時:2018年2月18日 8時