番外編3 ページ44
それはある日の休日だった。
リビングのソファでテレビを見ていた私は、途中流れたCM に目が釘付けになった。
『新たな地方__________
そこで生息する、まだ見ぬモンスター達。
今までにない、壮大なストーリーが幕を開ける。
君は、全てのモンスターを捕まえることができるか!?
いつでもモンスター最新作!
発売日を見逃すな!!』
いつモンの最新作じゃん!
これは予約して買わなきゃ損だよぉぉぉぉっ!!
丁度そこへ、やって来たパパに私は気が付くと、小さな体で飛び跳ねて、パパに抱き着いた。
「ねー、パパ新作ゲーム買って!!」
「離れなさい。」
首根っこを掴まれて、床に下された私は両手をジタバタと振る。
「ねぇぇぇぇぇ、買って買って!!」
「静かにしなさい。
ゲームなら、そこのテレビ台に沢山あるだろう。」
「それはそれ、これはこれだもん。
ねぇぇぇぇぇ、買って買って買ってぇぇぇぇぇぇっ!!」
床でゴロゴロと転がりながら、買ってコールをすれば、大きな溜息が聞こえた。
「はぁ……
分かったから。」
その言葉に、私は笑みを浮かべる。
ふっ、チョロい……
キラリーン☆
私は小さな体を大きくして、パパに再度抱きつく。
「パパ、ありがとう!
だ〜い好き!!」
「ほら、離れなさい。」
やんわりと体を剥がされたが、私はそんなのお構い無しにと、パパの手を握る。
「えへへ。
Aね、ちゃんと良い子にするよ。」
“ゲームの為にね”
「それなら、ちゃんと良い子にしなさい。
制服は言われる前に片付けて、お菓子も食べカスを床に落としてはいけないよ。
ああそれから、リビングで物を散らかさないこと。
ちゃんと出した物は片付ける。
ゲームでの徹夜は禁止。
いいね。」
「えっ……
オールできないの……
今日、オンラインで幼女大好きさんと、ブタのケツさんと、レッツゴーゴさんと待ち合わせしてるのに……」
「それは、何のゲームなんだ……?」
若干引いている父。
そんなに引く所あった?
「オンライン対戦のね、荒野サバイバルだよ。
スクワッドでドン勝つ狙いで行こうって、チャットで話してたのに……
ねぇ、パパ良い子にするのは、明日からでいいでしょ。
A、約束しちゃったの。」
良い娘バージョンで、両手を合わせておねだりポーズ。
これなら、パパも許してくれるかな。
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壱(プロフ) - ちくわさん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉を下さり、励みになります。悪の大罪シリーズについてですが、実は知らなくて、すいません……。「悪の娘』とかがあると名前だけは聞いたことがありますが、分からないです。おススメ作品ですか? (2018年6月1日 21時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ - 面白いです! 悪ノ大罪シリーズとか知ってたりしますか? (2018年6月1日 17時) (レス) id: ae2f86a54b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:壱 | 作成日時:2018年2月18日 8時