番外編2 ページ41
夕食の時間になりました。
今日の夜はカレー。
リビングのテーブルには三人が集まり、食事が始まった。
私の隣にはお兄ちゃんが座り、私の向かいにはパパが座っている。
そして私は食事中ワザと、入っていた人参を残していた。
あからさまに。
お皿の端に寄せて。
「A、何で人参を残しているんだ?」
隣で食べていた兄が私に話し掛けて来た。
今までそんなことがなかったから、嬉しい。
ふ、計画通り……
「嫌いだから。
ご馳走さま。」
そう伝えて、まだカレーが残っていたが、ご飯を残した。
そのまま近くのソファに置いてあった、ポテイトチップスの袋を取る。
こっちの方がおいしーよね〜
私はソファに座りポテイトチップスをバリバリと食べ始めた。
もちろん二人に気付かせる為に大げさに。
少ししてコーラをラッパ飲みし、またポテイトチップスを食べる。
うん、うまい!
「食事まだ残っているよ。」
パパの声が聞こえた。
話し掛けてくれた……
嬉しいけど、心を鬼にして、無視。
私はテレビをつけると、今度は動物達の森というゲームを始めた。
これも初めてやるけど、意外と面白い。
自分の家に家具を置いたり、その家具を買う為に、釣りをして魚を打って、虫取りをして、虫を売って、お金を貯めたりと、こつこつとやり込むゲームはやっていて、楽しい!
「A、ご飯が残ってる。」
いよいよ、私の元にやって来たお兄ちゃん。
少し声のトーンが低いことから、怒っているのが分かる。
さて、どうしようかな〜
「だってA、人参の入ったカレーなんか食べたくないもん。
駅前のファミレスにあるビーフストロガノフが食べたかったなぁ〜」
そう言って、お兄ちゃんの方に向く。
「ファミレス?」
「どこかの“誰かさん達”に、一緒に外に食べに行こうって行ったのに……
その人達は連れて行ってくれないんだも〜ん。」
そう言って二人に視線を向ければ
そのどこかの誰かさん達は揃って私から視線を逸らす。
「じゃあAは今日オールだから、パパもお兄ちゃんも、邪魔しないでね。」
そう伝えて、私はゲームを再開した。
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壱(プロフ) - ちくわさん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉を下さり、励みになります。悪の大罪シリーズについてですが、実は知らなくて、すいません……。「悪の娘』とかがあると名前だけは聞いたことがありますが、分からないです。おススメ作品ですか? (2018年6月1日 21時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ - 面白いです! 悪ノ大罪シリーズとか知ってたりしますか? (2018年6月1日 17時) (レス) id: ae2f86a54b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:壱 | 作成日時:2018年2月18日 8時