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番外編2 ページ37

出会い〜駄目妹の誕生







それはある日のことでした。




その日は学校のない休日。


私は朝の勉強を終えて、リビングにへとやって来ました。




「誰もいない……」



多分兄はまだ勉強しているだろし、父は書斎にて仕事中。


そしてお互いに距離を置き、関わろうとしない。



それが私にまで電線しつつある今日この頃……




私は、もっと家族仲良くしたいのに。



それに、寂しい。



一緒にいるはずの家族が、家の中でもまるで他人の様に接している姿を見ていると、悲しく感じる。




どうしたものか……



そんな風に一人考えていれば



ぐぅ〜



お腹が空いて来たなぁ。





時計を見れば、そろそろお昼の時間です。




腹が減っては戦は出来ん。



よし、何か食べに行こう。




でも、一人で行くのはつまらない。



そう思って、私は兄の部屋に向かった。






兄は机に向かって椅子に座り参考書を広げていた。






「お昼?」




「うん、折角の休日だし、どこか食べに行こうよ。

お父さんも誘って。

ね、いいでしょ兄さん。」




「僕は遠慮しておくよ。」




「…………そっか。

邪魔してごめんね。」




私は兄の部屋を出た。




話しの最中、兄は一度もこっちに目を向けてはくれなかった。


それが悲しく感じた。


別に兄妹の仲が悪い訳じゃない。


ただ単に勉強をしていた時だったから、顔を合わせてくれなかっただけ。



分かっているのに……




もう!

兄さんのバカ!!

あんな態度はないじゃん!!




と、心の中で兄への愚痴を零していれば、父の書斎に着いた。








「お昼?」



「折角の休日なので、外にでもと思ったんですけど。

皆んなでどうかなって。」




「私はいいよ。

君達だけで行きなさい。」



「…………そうですね、そうします。

お忙しいところ、失礼しました。」





私は父の書斎を出た。




兄同様、父もパソコンから顔を上げず、一度も目を合わせてはくれなかった。




私と父の仲は別に悪い訳ではないけれど、やはり父はどこか私のことを娘としてではなく、生徒として見ているところがある。




こんな家族は、果たして家族といえるのか。





もういいや。


二人は放っておいて、私一人で行こう。




リビングのテーブルに、一言出かけて来ますとメモを残し、私は家を出た。

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(プロフ) - ちくわさん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉を下さり、励みになります。悪の大罪シリーズについてですが、実は知らなくて、すいません……。「悪の娘』とかがあると名前だけは聞いたことがありますが、分からないです。おススメ作品ですか? (2018年6月1日 21時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ - 面白いです! 悪ノ大罪シリーズとか知ってたりしますか? (2018年6月1日 17時) (レス) id: ae2f86a54b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年2月18日 8時

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