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駄目妹と兄 ページ27

僕の妹Aは、美人で評判だ。

 優しくて頭が良くてあらゆる才能に恵まれている。


テストは常に一位。


模試だって全国トップ。

僕と同率一位か、時々どちらかが二位か。


学内の成績も良い。


学習面においては僕も羨む程に。


素行も良好。


非のうちどころのない美人中学生。


街を歩けば、老若男女に好かれる妹だ。




そんなAは、出来る妹ー出来妹(デキモト)である。




だがAは家に帰ってくると美人中学生の面影が1ミリも見えなくなる。


ハムスター(僕には熊に見える)ガウンを着て、体は小さくなる。



そして制服は脱ぎ散らかし。

お菓子は食い荒らし。

ゴロゴロしながらゲームをし。

片付けを一切しない。



グータラな駄目な妹ー駄目妹(ダメモト)になる。




そんな妹だけど




「おにいちゃん!!


あそぼーよ!!」




家出の一件以来、妹はよく甘えるようになった。



それは、兄である僕に限らず、あの父にもだ。






「ねぇパパ!

一緒にねよーよ!!」



この間なんか




「ねーおにーちゃぁぁぁぁん!


一緒に、おふろはいろー!!」





流石にその時は、僕も返答に困った。


一緒に入るのはちょっと……



しかも、その時近くにいた父からは、無言の圧力を感じた。


もちろん駄目だと言って、お風呂は別々に入った。






そんなこんなで、妹とは仲良くやってはいる。




そしてなんとなくだけど、あの人……父のAへの関わりが変わった。



よく、妹に構うようになった。




別にそれが羨ましいとかは一切ない。


敷いて言えば




「ねぇパパ!

あそんであそんで!!」




父の歩く後ろを、ちょこちょこと付いて行くA。




そんな姿をよく目にすると、父に妹を取られたように感じて、いらつく。






まああの人にも、一応は人間味があったのだと思うと、Aには驚かされる。



あんな父の姿を今までには見たことがなかったから。





そして







「きらりーん!」




妹は外へ出る時は、出来妹になる。



相変わらず、家の中と外での体の違いには驚かされるが……






「学校に行こう、お兄ちゃん。」




そう言って笑う。





「ああ。」





僕はこんな妹が大切なんだ。






(終わり)

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(プロフ) - ちくわさん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉を下さり、励みになります。悪の大罪シリーズについてですが、実は知らなくて、すいません……。「悪の娘』とかがあると名前だけは聞いたことがありますが、分からないです。おススメ作品ですか? (2018年6月1日 21時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ - 面白いです! 悪ノ大罪シリーズとか知ってたりしますか? (2018年6月1日 17時) (レス) id: ae2f86a54b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年2月18日 8時

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