パパは人間じゃない【暗殺教室】３ (ページ6)

今日:16 hit、昨日:14 hit、合計:71,532 hit

正体ページ6

今、目の前の女の子は何て言った。

「學峯お兄さんのバカバカバカバカ！！」

ぎゅっ！！

またしても、目の前の女の子に抱きしめられた私は、じっと彼女を見る。

そうだ、何故気付かなかったんだ。

こんなにも、あの子に似ているというのに。

髪色はピンクで長さは腰まであり、青い大きな瞳とぱっちり二重の女の子。

Aちゃんに似ているんだ。

「君は、いったい……」

「ねえ、気にならないの……

私のこと。」

彼女の白い手が、私の頬に触れた。

「私が誰か知りたいでしょ……

學峯お兄さん。」

両手を伸ばして私の首に手を回した彼女に、私の体は引き寄せられる。

「ねえ、キスして……

そしたら、教えてあげる。」

唇と唇が触れる距離まであと少し。

これ以上は問題になると思い、私は彼女の体を自分から引き離した。

「冗談はやめなさい。」

「やっぱり、おんなじ事言うんだね……

私の保護者になってくれた貴方も、そう言って私を遠ざけるの。」

「保護者……？」

私がいつ、目の前の女の子の保護者になったというんだ。

「私は、學峯お兄さんのこと、小さい頃から好きなのに……

結婚してくれるって言ってくれたから、ずっとそれを信じて、貴方だけを思い続けていた。」

！！

まさか、この子は……

「君は、Aちゃんなのかい？」

にこっと笑い、涙の溜まった瞳を私に向ける彼女。

その笑顔が、幼いAちゃんと重なって見えた。

私は自然と自分の手を伸ばすと、優しく彼女の頭を撫でた。

「そういう所は、変わらない。

私の知る學峯お兄さんも、私の頭を優しく撫でてくれるから。」

「君は……もしかして……」

ある一つの仮説を私は立てていた。

悪魔でも、仮説だ。

それが本当なのかどうかは分からない……

「學峯お兄さんが考えている通りだよ。」

！！

「私はね、未来から来たAだよ。」

その事実に、私は驚きを隠せずにいた。