パパは人間じゃない【暗殺教室】３ (ページ47)

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子供の様な男ページ47

学秀side

「ちょっとからかいたかっただけなんです！！

なのに………」

今度は両目に大つぶの涙を浮かべて僕の方に顔を向ける。

「学秀君は酷いですっ！！」

僕にびしっと指を突き刺さし、涙で潤んだ瞳で睨むその様は、小さな子供だった。

この人……さっきからころころ表情が変わるな……

「浅野先生もです！

もう少し、冗談の通じる子にしてあげてください！！」

「あのように育ったのは、彼なので。」

父は苦笑いを浮かべる。

そんな父に対して、男は今度は愕然と肩を落とす。

「つまらない……実につまらない……」

ブツブツと呟く男はは部屋の壁に指で丸を書いていた。

その背中は暗く、影がかかる。

いったい何なんだ、この人……

しかも、つまらないって……

若干、苛つく。

「殺せんせー、いつまでいじけているつもりですか？

貴方にケーキでもお出ししようと思ったんですがね。」

「ほんとですかあっ！！？」

今度はいきなり目をキラキラと輝かせて、父に詰め寄る男。

心なしかその圧倒さに父も引いているようだった。

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「美味しい美味しい美味しい！！」

無我夢中でホールのケーキを食べる男を、僕と父は目の前で眺めていた。

口にケーキのクリームを付けて、嬉しそうな表情をして食べる男は、やはりどこか幼さを感じさせる。

そして、ものの数分でホールケーキはなくなり、大満足の男に父はティッシュを渡した。

「殺せんせー、口にクリームが付いてますよ。」

「なんですとっ！！」

ポケットから手鏡を出した男は自分の顔を眺めながら、渡されたティシュで顔を拭く。

「ありがとうございます、浅野先生。

いやあ、危うくイケメンの顔がクリームで埋まるところでした。」

自分で自分のことをイケメンと呼ぶ男に、僕はただ何も言わず黙っていた。

もちろん、父もそこには何も突っ込むことはしなかった。

「それで殺せんせー、息子には話したんですか？」

話し？

「まだです。

仲良くなってからと思ったんですが、先ほど嫌われてしまったので…………」

シュンと悲しげな瞳で訴えて来る男。

僕はその視線から顔をそらす。

誰の所為でああなったと思っているんだ。

「では、私から話しましょうか。」

そこで父からある話しを持ちかけられたのだった。