親として ページ36
昼間のカフェテラス
テラス席には今、子連れの男性と反対側には、男性が一人座っていた。
子連れの男性は、抱いていた女の子の頭を優しく撫でる。
彼女は今、ぐっすりと夢の中のようだ。
「それで、もしかして最後まで……
その、手を……出したんですか?」
「まさか、そんなことはしていませんよ。」
「ですよね……
いや、生きていた時は違っても、私の娘ですから……」
「いつから気付いていたんですか?」
「そうですね……
いつからですかね。
ただ、初めて会った時から、なんとなく雰囲気がAに似ていたんですよ。」
「なるほど。」
「それで、あの……Aは?」
「消えてしまいました。
私に笑顔を向けて、ありがとうと言って。」
「そうですか……」
「パパを宜しくとも言われましたよ。」
「何も別れの言葉も言えませんでした。」
「言いたくなかったんじゃないんですかね。
そうそう、クロと言う名前を気に入っていましたよ。
パパが付けてくれた名前だから、嬉しいって。」
「そうですか……」
「ああそれから、最後に小さい頃にパパにホテルに連れて行ってもらったことがあったから、消える前に行きたかったなと言われました。
却下しましたけど。」
「えっ………」
「連れて行ってもらったホテルが、どうやらベッドがふかふかで、近くにスイッチがあって煙が出て、ベッドが回転するとか。
あとそれから………「すいませんっ!!」」
子連れの男性は慌てて頭を下げた。
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沖田瑠美亜(プロフ) - 分かったですヽ(^o^)丿 (2017年7月17日 23時) (レス) id: e81d74531a (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - 沖田瑠美亜さん» またかわいい子を描いた時は教えて下さい。楽しみにしています。 (2017年7月17日 23時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
沖田瑠美亜(プロフ) - はい!ありがとです(o・ω・o) (2017年7月17日 19時) (レス) id: e81d74531a (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - 沖田瑠美亜さん» おめでとうございます!!良かったですね。 (2017年7月17日 19時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
沖田瑠美亜(プロフ) - 壱さん» 1番でした!かけに勝ったぞー! (2017年7月17日 19時) (レス) id: e81d74531a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:壱 | 作成日時:2017年6月3日 23時