パパは人間じゃない【暗殺教室】３ (ページ25)

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みんなの意見ページ25

「みんな、どうする？

俺は、正直……殺せんせーが助かるなら、先生を助けたい。」

こんな時も、先陣切ってみんなに声をかけるのは磯貝君だ。

やっぱり、クラスのリーダーは違う。

「私は、先生が助かるなら、助けたい。

きっと、お姉ちゃんだってそう言うはずだもん。

だから、助けたい。」

これはカエデちゃんだ。

そうだよね、雪村先生なら多分そう言うはずだ。

私は実際には会ったことはないけど、パパの記憶越しに、彼女の姿を見たことがあるから、分かる。

心優しく、誰に対しても、ちゃんと相手を見て接する。

放り出したりせず、生徒を思い指導していく彼女こそ、パパの目指した先生の姿。

そして、彼女はきっとパパのことが好きだったと思う。

これは女の勘。

というより、パパの記憶からそう言う場面を見ちゃったしね。

「僕も……先生を助けたい。

先生には、まだ教えて欲しいことがあるし、こんな所で終わってしまうなんて嫌だよ。」

強い光を灯した目。

渚君だ。

「確かにね。

それに、先生にちゃんと恩返しとして、卒業証書見せてあげたいじゃん。」

理央ちゃんだ。

そうして、E組のお兄ちゃん、お姉ちゃん達は、みんな殺せんせーを助けることを決めてくれた。

だけど、一つ問題がある。

私はその問題となるある人物達に目を向けた。

「烏間先生、生徒さん達は助けると言ってくれました。

それに対して、貴方と、イリーナ先生の意見を聞かせて下さい。」

「私は、餓鬼どもの意見を尊重するわ。

けど、烏間……あんたは防衛省の人間だものね。」

「俺は……」

そう言って一呼吸置いた烏間先生は、私に視線を向ける。

「俺、個人の意見として、立場など関係なく言えることは、イリーナと同様に生徒の意見を尊重するまでだ。

彼らが考えて決めたこたえなら、文句は言わない。

だが防衛省の職員としての立場では、それを許すわけにはいかないのも事実。

奴を殺さなければならない。」

そう、烏間先生の言う通りだ。

世界平和の為には、やらなくてはいけないこと。

そもそも国内に知れ渡った時点で、世論は超生物の存在を悪としている。

そして国家間のとり決めとしても、超生物暗殺の方向として話しを進めて来たわけで、それを今更覆す意見なんて、簡単には出てくるはずもないのだ。