パパは人間じゃない【暗殺教室】３ (ページ23)

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悲しみの果てに…… ページ23

E組side(by:渚)

「みなさん、暗殺者が瀕死のターゲットを逃してどうしますか……」

弱々しいながらも、僕らに重くのしかかったその言葉は、この時間の終わりを告げるものであると、悟った。

みんなで協力して、閉じ込められた殺せんせーに会いたくて、やって来た旧校舎で繰り広げられた戦いも終わり。

みんながみんな、やっと安心できるそう思っていたのに。

まだ、先生と話したいことだって沢山ある、やりたいことだって沢山ある、教えて欲しいことだって沢山ある。

それなのに……

空を見上げれば、紅く光るレーザーの光が僕らを照らしていた。

ここに来た時よりも、その光は膨れ上がっているのが分かる。

終わりは差し迫っている。

僕らに迷っている時間はないのだと、そう告げているようだった。

「みんな、俺達自身で決めなきゃいけない……」

磯貝君はみんなを見渡した。

「手を挙げてくれ。

殺せんせーを殺したくないやつ……」

そう問われれば、みんなは手を挙げた。

僕らだって、できることなら……

先生を助けたい。

「おっけー……

下ろして。

殺したいやつ……」

その言葉で、戸惑うのは明白だった。

みんな、俯き、誰もその手を挙げ用とはしない。

そんな時、不意に脳裏を過ぎったのは今までの学校生活だった。

いつだって、銃とナイフと先生がいた。

そんな生活。

ゆっくりと挙げられて行く手。

これが僕らの答えだ。

僕らは殺し屋。

ターゲットは、先生。

「あの～シリアスな展開で申し訳ないんですけど……」

そんな時、突如として聞こえて来た声に僕らは驚いた。

声の主は、長い黒髪の女の子。

眼鏡をかけた彼女は、多分……僕らと近い年頃のように見える。

確か、先生はクロと呼んでいた。

そんな彼女はにこりと笑う。

「殺せんせーを救いたくはありませんか？」

その言葉は、後に……

全てを大きく変えることとなる。