パパは人間じゃない【暗殺教室】３ (ページ21)

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暗い世界ページ21

私は、Aの深層意識の世界にへと踏み込んだ。

そこは真っ暗な世界だった。

光なんてなくて、真っ暗な闇で世界は覆いつくされていた。

そして、その中心には薄っすらと弱い光を放つ、小さな体があった。

体を丸めてうずくまる小さな少女。

私だ……

幼い私がそこにはいた。

私はゆっくりと、彼女に近づくと、傍に腰掛けた。

「どうしたの？

こんな所にいたら、パパに会えないよ。」

「………………」

「何があったの？

お姉ちゃんに話してごらん。」

優しく、うずくまる彼女の背中を私は撫でた。

「……パパが……」

「ん？

パパがどうかしたの？」

「パパ……パパが……死神……」

「うん……」

「パパが、怖い……

柳沢は、パパが悪い人だって……」

「パパが悪い人？」

「うん……

Aもパパに、殺されちゃう……」

震えている小さな体はさらにうずくまっていた。

「でも……パパは、パパは……

Aに優しくて……」

「そうだね。」

私は優しく、幼い私の頭を撫でた。

「わからないの……

ひっく、うっ…ううっ……」

ポタポタと涙が垂れていく音、そして泣いている幼い私。

そんな彼女を、私は横から優しく包み込んだ。

「思い出してみて。

パパは、どんな人だった？

パパはいつもどうだった？」

「パパは……パパは……

Aを……ほんとの子みたいに、接してくれた……」

「そうだね。」

「Aと、ずっと一緒にいてくれるって……

Aは寂しくないって……

思えたの……」

「うん。

パパは嫌い？」

「ううん、好き……

パパと一緒にいたい……

いたいのに……」

「大丈夫、お姉ちゃんがなんとかしてあげるから。」

ギュッと、抱きしめた小さな体は、コクリと首を縦に振った。