パパは人間じゃない【暗殺教室】３ (ページ20)

今日:7 hit、昨日:14 hit、合計:71,523 hit

あの日の私ページ20

＊

あの日

柳沢にパパの秘密を教えてくれると聞いて付いていった私は、車の中で注射を打たれて眠らされた。

その後、目を覚ました私は手足を縛られ身動きが出来ない状態で、部屋の中にいた。

そこは何もない部屋で、床はコンクリート。

窓もなく、あるのは扉だけだった。

そしてやって来た川島は、私に洗脳を掛けていく。

時計もないから時間も分からず、長い時をあの部屋で過ごしていると、錯覚してしまう程だった。

実際には、2時間弱。

洗脳の方法はいくらでもあるが、奴の場合は密室を使った戦法が得意だ。

密室に閉じ込めることで、外部からの情報を遮断し画一的な情報しか受けられない状態にする。

画一的な情報とは、洗脳を仕掛ける側にとって都合の良い情報のことだ。

自分のお人形に仕立て上げるために、自分の思い通りの人間にするために、奴は巧みに言葉を使う。

こうすることで、洗脳を解いてしまう不都合な情報をシャットアウトさせる。

まあ、密室だから外部とも連絡は取れないし、その時点で籠の中の鳥なわけなんだけど。

次は、相手の脳内に残っている不都合な情報」の消去と書き換えをする。

相手の脳内に残った不都合な情報を消去する手口は、色々ある。

単純に、ずっと何度も何度も同じ言葉を喋り続け、それだけを考えさせる方法。
あるいは相手を否定する言葉を延々と語り続ける方法だ。

まあこれについては、相手の考え方を複数人で全面批判するという方法も使われたりする。

否定を徹底的に繰り返すことで、相手に自分の考え方は間違っていると思い込ませます。
相手の思考がブレてきたら、洗脳を仕掛ける側が刷り込みたい都合の良い考え方に誘導尋問し、相手がそれに従ったとき初めて褒めて認めます。

その結果、相手は人間の本能である自己承認欲求が満たされ、洗脳側の都合の良い考え方や発言を繰り返すようになる。

これで洗脳は完了する。

操り人形の完成だ。

＊

私は意識を、ベッドで眠っているAに集中する。

必ず、川島の手から解放するからね。

洗脳を解く方法

それは、視野を広げることだ。

洗脳自体が、都合の良い情報を巧みに言葉を使って相手に刷り込むこと。

そうなれば、相手はそれだけに視点を向けて考えることしかできなくなる。

視野を狭められた相手はなす術もなく、洗脳から抜け出る選択肢を失う。

だからこそ、狭められた視野を広げれば、洗脳から抜け出せるのだ。