【Fischer's】恋してもいいですか？【短編集】

公園のベンチ：ザカオ ページ28

.





いつもの朝

いつもの休日

いつもの紅茶

いつものワクワク


そしてずっと展開が気になってた本を持って朝早くにベンチに座る



なんでわざわざ休日の早朝に公園に来ているかって?





それは………


『いた……』


名前すらも分からない人のダンスを見るためです





最初は前に読んだ本に影響を受けてやっていただけだった

休日ぐらいもっとゆっくりしたいし………

欠伸をしながら行くと熱心に踊っている人が






“『わぁ……凄い…』”





リズムを刻みながらしなやかに曲がる腰

沢山回ってもフラフラせず踊りつづける

いつの間にかこれを見るのが日課になってきた





ジーと見たいけど見すぎると怪しまれるから本に視線を向ける









30分くらいで読め終わり顔を上げると丁度あの人も終ったらしい




バチッ



まさか目が合うと思ってなかったから固まる私



取り合えずお辞儀する



すると小走りでこっちにくる




え？ちょちょ待って……何の準備もして無い……





「おはようございます」


『おはようございます……』


「よくここに来ていますよね?」


『あっ……はいそうです』




休日の早朝に来ているのは私達だけだから
覚えていてもおかしくないけど

まさかわざわざ来るとは思わなかった




「僕ザカオって言います」


『私はAです。ザカオさんはダンスの仕事をしてるんですか?』


「いやいや、ただの趣味です笑Aさんは本が趣味ですか?」


『そうです!』







……さすがに言えない

ダンスを見るために来ているなんて



「これから話しかけてもいいですか？」


『あっ全然大丈夫です笑』






お互いのことを話しながらお別れの時間に



『今日は楽しかった!』


「じゃあまた!」




同い年だからお互い敬語無しで話したし


会社の系統も一緒だったから、一層話が盛り上がった



“「だったらいつか会うかもね?」”


“『そうだね笑』”






あー………楽しかったなぁ





もうすっかり明るくなった空を見上げる






“「えっ同い年なんですか!?」”


“「それ僕のところもそういうの良くあります笑」”





ザカオさんの笑顔はものすごく明るくて話してて楽しかった




早く次の休みにならないかな…









＿＿＿＿＿＿この胸のドキドキは何ですか?

ご褒美：モトキ→←お知らせ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す