実験体少女 (ページ19)

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第17話ページ19

貴女side

貴女｢散歩、してて、それで出会った時の公園見つけたからブランコ乗ってて、そしたら実験所の奴らがいて、捕まりそうになったけどなんとか倒して、変な注射打ってどこかに去っていった｣

間違ってはない

ある程度本当のことを話しているし、去っていったのは事実だ

ただ、何を言われたかを隠しているだけ

そらる｢そうか、とにかくAが無事でよかった。な？まふ｣

急に名前を呼ばれたまふは慌てて｢はい！｣と返事をした

まふ｢どこを探しても見つからなかったんですもん。
うらさかだってすごい心配してたよ｣

貴女｢ごめんなさい｣

そらる｢別にいいよ、さ！
ご飯食べよーぜ、俺お腹すいたー｣

まふ｢僕もお腹すきました！｣

2人は僕には眩しすぎる

殺せない

96も、今日あったあの2人も、僕には殺せない

こんな気持ち初めてだ

今まで命令はちゃんと聞いてきていた

でも、僕にここまでしてくれたのは初めてだ

話しかけてくれて、優しくしてくれて、何よりこの2人は得体の知れない僕を助けてくれた

殺されるかもしれないのに、アイツらから匿ってくれた

どうしてここまでしてくれるの？

そんなに優しくされたら、殺せないよ

でも殺さなきゃいけない

選択肢は3つしかない

1、殺してからアイツらの所へ行く

2、殺してから身体能力を駆使して遠くへ逃げる

3、命令に背き、何とかして僕が5人を守る

僕が殺さなくてもアイツらが殺す

だって実験のことがバレたんだから

僕はどの選択肢を選ぶのが正解なの？

例え、どれもあっていなくてもましな選択肢はあるはずだ

いったいどれを選べばいい

まふ｢Aー、ご飯出来たよー？｣

まふに呼ばれてハッとする

｢今行く｣と伝え頭を横に振る

このことを悟られたら終わりだ

特にそらるは勘が鋭い

僕が考えている素振りや、少しでも変な行動を見せると怪しむだろう

｢ごめんなさい((ﾎﾞｿｯ｣

僕は料理を並べて楽しそうに話している2人を見つめ、ポツリとそう呟いた