きみの魔法 III (ページ23)

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強く抱きしめられて頭が回らなくなる

"すき"って言われた？

紫｢好き、｣

今度は聞き間違いじゃない

紫｢ずっと好きやった...ずっと俺には由季しかおらん.....

こんなに遅くなっちゃったけど...俺の彼女になってくれませんか？｣

言い終えた後に体を離して照れくさそうに笑うけど、

私は突然のこと過ぎてなかなか目を合わせられない

紫｢由季？ってえ？！｣

目を逸らす私の顔を見て驚く紫耀

紫耀の大きな手に包まれた頬は濡れていた

紫｢そんなに嫌やった？｣

｢違うっ...わかん、ないけどっ、なんか...｣

一度溢れてしまった感情は抑えられなくなって

紫｢え、ちょ待って！｣

止まることなく溢れてくる涙を

どうしようと慌てながら紫耀は優しく拭ってくれる

生まれ変わって流したはじめての涙は幸せな涙だった

｢私、も...ﾋｯｸ、す...きっ、好き｣

ぐちゃぐちゃになった顔で思いっ切り抱き着く

紫｢ええっ、、｣

これまで心の奥底に閉じ込めていたはずの感情までが

涙と一緒に溢れてきて

｢大好きっ..ﾋｯｸ...｣

紫｢あかん、俺の方が絶対に好き｣

これは譲れない、と真剣なかおをしてくるから思わず笑いが込み上げてくる