きみの魔法 III (ページ1)

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山茶花ページ1

You side＿＿＿

｢...ん、、｣

暖かく差し込む夕日で目を覚ました

うっすらと目を細めても入ってくるのは眩しい光ばかりで

つん、と鼻につくこの独特の匂いには見覚えがあるのだけれど

どうしてここに居るのか分からない

とりあえず起き上がろうと思い身を起こそうとしても

｢あれ、、｣

何かが体にのしかかってるみたいにビクともしない

....記憶が無いから分からないけど、もしかして私力が入らない病気とか？！

それか怪我でもしてるのかと思ったけど

特に体に痛みを感じる訳でも無く、強いて言うならちょっと頭が重たいくらいだろうか

よっぽど酷い状態ならここは病院だろうか

そうじゃないならここは...

少し痛む頭を気にしながらひと呼吸して

もそもそと動きながら反対側に寝返りを打ったその時

｢っわ！｣

誰かが私の掛けている布団に寄りかかっていて

寄りかかってると言うよりか、身をかがめるようにして上半身が乗っている

そりゃ身動きが取れ無いはずだ

さらさらと綺麗な髪の間から見える小さな耳と布団と腕からほんの少しだけ覗いた横顔

シャツの隙間からすらりとした首から続いて
縮こまっていても隠し切れない大きな背中

その空間だけが魔法にかけられているみたい

·

その魔法に触れてみたくて

少しだけ...君にそっと手を伸ばした