きみの魔法 III (ページ4)

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紫｢ほら、立てる？｣

紫耀は腰掛けていた椅子から立ち上がってひと伸びする

｢う、うん｣

目の前に差し出された大きな手

紫｢ここで説明するよりも、ちゃんと二人で話し合った方がええと思って｣

その手を遠慮気味に掴んでゆっくりと抱き起こしてもらう

そこまで過保護にされなくても体の方は大丈夫だと思うんだけど...

ほぼ抱きかかえられている状態に近いこの状況だと心臓がやばそうだ

どうしても昨日のことを思い出してしまうから

近くに見当たらない保健室の先生には帰宅すると置き手紙を残して部屋を出たのはいいのだけれど...

｢紫耀、一人で歩けるってば...｣

紫｢また倒れたらだめでしょ｣

｢大丈夫だからさ...｣

私は大丈夫だから、、

紫耀はこの視線に気付かないの？

『ねぇ、紫耀くん誰かと歩いてるんだけど！』

『うそ！え、誰だれ？！』

紫耀と歩けばこうなることくらい分かってた

『へぇー、由季と紫耀って絶交したんやと思ってたー笑』

『男にか弱いマネして寄ってく奴無理だわ笑』

思ったより厳しい言葉をかけられる

ううん、かけられて当たり前

しかも、私の隣を歩くのはただの男じゃない上に...