エゴイストの妹ちゃん【ブルーロック】

にじゅーきゅー！ ページ31

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久遠 side







試合はチームZの奴らに託してフィールドを出ると驚いているAちゃんと目が合った










『 久遠くん、なんでファウル… 』


「 身体が動いちまったんだ…

その…ごめん 」





『 え…なに? 世一にバカって言ったこと? 』



「 は? 」





随分と的外れなことを言われた

彼女との間に気まずさと少しの沈黙が流れる









「 チームZを裏切ったことだけど… 」


『 いや私は気にしてない…って言ったら嘘になるけど

別に怒ってないし責めるつもりないよ 』



「 はぁ…? 下手したら負けるところだったんだぞ 」




『 負けないよ? 』









Aちゃんは潔の妹で正直恨まれることは覚悟していた
ところが今、目の前の彼女はどうだろう


負けない と言い切った
まるで当然かのように言った

初めて見るその目に圧を感じてつい黙ってしまった







『 …負ける負けないは置いといて

確かに裏切りって最低だし有り得ないけどここは青い監獄(ブルーロック)で


久遠くんが勝ち上がるために必要だと思ってやった結果なら文句ないよ
それにやり方って人それぞれだし 』



「 とんだお人好しだな 」



『 それで結構!

ほら 見てみなよ 』








言われて見てみれば我牙丸が凪のシュートを凌ぎチームZはカウンターをしかけていた
時間的にもこれがラストプレー

戦場(フィールド)を本気で駆けるアイツらを見て俺はやっと気づいた






『 君がどんな思いでサッカーをやっていたかは知らないけど本気で人生懸けてるみんなを見て

まだチームのせいで…なんて言える? 』





そうだ…Aちゃんの言う通りだ


見えるか…あの頃の俺
あの瞬間(とき) お前が信じたかった サッカーは＿＿


いま"青い監獄(ここ)"にあるぞ…!!







「 いけぇぇ!!! 」







再び潔と凪がぶつかる

もうゴール前なのに
勝てよ…勝て!







『 大丈夫 勝つよ 』





ただ真っ直ぐ前を見て言った

この自信はどこからくるのか
いや、そんなことどうでもいい







『 いけ 世一 』







俺は考えることをやめゴールに突き刺さるボールを見た








＿＿ピッ ピッ ピーーッ


《「 試合終了!!

5-4でチームZの勝利!! 」》









「 マジで勝ちやがった… 」




「 おい久遠! 何やってんだお前も来いよ 」






『 ふふ 行っといでよチームZ(みんな)が呼んでる 』


「 …ありがとなAちゃん 」



『 どういたしまして! 』





何となく心が軽くなって今度こそコイツらと向き合えると思った

Aちゃんに背中を押され俺は見事勝ち上がりを決めたチームZの元へ向かう



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