愛とは【呪術廻戦】

玉折 弐-参 ページ4

.

夏油side







『 対症療法と原因療法の話、九十九さんとしませんでした？ 』




「 したよ 禪院甚爾のことも 」





『 兄さんに研究の交渉をする時私もその場にいて話は聞いていたんですよ

そのせいか非術師がいなければって思想になってしまって 』





Aちゃんも迷っていたんだ

私だけじゃない





『 自分らしくあるため その延長線上に非術師を守るという目的があって何にせよ全て守れる位強くならないとって最終的に追い込むようになってしまったんです

恥ずかしながら雄くんたちにバレて全部聞いてもらいましたけどね 』





「 …私は非術師を見下す自分とそれを否定する自分のどちらを本音なのか迷っているんだ

私たち術師は非術師を守らねばならない その考え自体揺らいでしまっている 」





『 それは…どちらでも良いんじゃないですか？ 』





どっちでもいいと言われるとは思わなくて思わずポカンとしてしまう




「 どちらでも？ 」





『 夏油さんは理由もなく適当に物事を決める人ではないと知っているのでどっちを答えにしても考えて出た結論なら別にいいと思います


流石にダメだと思ったことがあれば止めますけどね 』





「 否定しないのかい？術師に有るまじき考えなのに 」





『 しませんよ

同じようなこと考えてしまっている私も同罪です 』






「 同罪、か 」





『 もしかして一緒にされるの嫌でした!?すみません 』







怒っていると思わせてしまったのか訂正しようとするAちゃんに愛らしさすら感じる

悟の気持ちもやっとわかった
これは敵わないな


まるで冷めきって黒く淀んでしまった私の心に差す光のようだ








「 いや、謝らないでくれ気が楽になったよ 」





『 私は悟くんじゃないし頼りにならないかもしれませんけど話を聞くだけならいつでもできますよ 』






「 聞くだけと言うけど聞けるというのは凄い才能だと思うよ 」





『 夏油さんは優しいですね

優しいのはいい事ですけど他人にばかりではなくたまには自分にも優しくしてあげてください 』





曇り一つなく私を見つめるその目に吸い込まれそうになる
そうか認めてくれるのか

Aちゃんが居てくれるならもう少し頑張ってみようか





「 善処するよ 」




『 それが聞ければ私は満足です 』










そのはにかんだ笑顔は私だけに見せて欲しい







そんな欲には蓋をする




.






夏油さんは不穏にしたいです

.

玉折 弐-肆→←玉折 弐-弐

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す