女王様の側に咲く花は

Gazania 13 ページ29

｢…あれ…？｣



向日葵から報告は受けてて知ってたものの、仙城さんに調子に乗らせる為に私は学校に来て早々


自分の机の中を見て少し慌ててみせる


…あらあら、そんなににやけちゃって大丈夫なの？


周りにはたーくさんのクラスメイトが居るわよ？w



｢九条さん、どうしたの？｣


｢あ…えっと、昨日ノートを1冊だけ忘れちゃってたんだけどそのノートが無くて…｣


｢え…それって盗まれたってこと！？｣


｢…そうなる、のかな…いやでも。私が勘違いしてるだけかもしれないし｣



近くを通りかかったクラスメイトの子に私はそう言って少し眉を下げて笑う


あのノートのデザイン、可愛くてお気に入りだったのになぁ


今日は体育があるのでロッカーに体操服を入れに行く時に仙城さんの近くを通り、そう呟く


ちらりと仙城さんを盗み見ると、少しニヤついていたので


あ、これは私の思い通りに動いてくれるかもなぁ


と思った。まぁ、仙城さんはそこそこ頭が回るけど思考は単純みたいだったから出来ることなんだけどね


仙城さんに命じられ、向日葵が盗んだあのノートを仙城さんは向日葵に寄越せって言い出すんだろう


可愛いものなら、仙城さんだと私なんかより自分の方が似合うんだから！って思って動きそうだもん


そのノートはまっさらって訳じゃなくて、私がテストの時とかに振り返ることができるように自分が分かりやすいように纏めただけのものなんだけど


私の字で書かれたノートを仙城さんが持っていたら…どうなるのかしらね？

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