振り向いてくれない彼女【霧隠ラント】

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ラント side






ツトム「会長、今日は仕事が順調に進んでいますね」

ラント「あぁ、予定があるんだ」






昼休み、Aから誘いがあった

商業エリアにあるカフェに行きたいと言っていた
詳しく聞いたら気に入ってるカフェの期間限定メニューが食べたいのだとか






一人でも行ける場所に俺を誘ってくれた

もしかしたら、俺にもチャンスがあるのでは無いかと思った









ラント「この資料が片付いたら解散しよう」

ツトム「了解です」





今日の放課後のために溜まっている仕事を全部片付けた

こうもすらすらと仕事が進んでいくのは気持ちが良い
それもこれも全てAとの約束のため



せっかくのチャンスを、逃すわけにはいかない








・







それから数時間後、仕事は終わりこれから集合場所の校門前に行こうとする







クウカ「ラントくん！」

ラント「ん？なんだ」

クウカ「この後予定ある？良かったらこれから…」

ラント「すまない、約束があるんだ」








クマ子が俺を呼び止める

俺はそれを断り、止めていた足を再び動かそうとする







クウカ「ま、まって！」

ラント「！」






すると突然、腕を捕まれた

いきなりのことに驚き、すぐにクマ子の方を振り向く








クウカ「また、Aさんのところに行くの…？」

ラント「…そうだが？」

クウカ「また…」







下を向くクマ子

気のせいか微かに手が震えている









ラント「どうしたんだクマ子、様子がおかし…」

クウカ「あ…ううん、なんでもないよ」









俺が気にかけるとクマ子はすぐに顔をあげ、いつもの彼女に戻った

つがまれていた腕を離し早足で生徒会室を後にして行った






クウカ「ごめんね」








ラント「クマ子…」






最近様子がおかしいと思っていたクマ子

何かあったのだろうか

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