振り向いてくれない彼女【霧隠ラント】

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A side






ラントすまない、生徒会の急用が入った
また明日一緒に食べよう






いつもの場所のベンチで何度も同じトーク画面を見つめる

見てはため息ばかり出てしまう








「ラントくん…」







せっかくまた一緒にいられると思ってたのに…

しょうがないよね、ラントくん生徒会長だし












でも、寂しいなぁ













「これどうしよう…」












ラントくんのために作ってきたお弁当
自分の分も持ってきたし食べきれない






最初は味見と称したものだったが
いつの間にか、私が作ってあげたいという気持ちへと成り代わっていた










あの件があってから、ラントくんを見る目が少し変わった気がする

なんだか優しくてかっこいいな…なんて













いやいや

私にはチアキくんがいるんだから







チアキくんは私の好きな人で
私を助けてくれたヒーロー、憧れの人







ラントくんはそれとは違う大切なお友達









…だよね？











「どうしようわかんなくなってきた」






独りよがりになって考えていたら頭が痛くなってきた
ラントくんい会いたいな…いっぱいお話ししたいよ









チアキ「A」











頭を抱えていると、上からチアキくんの声が聞こえた

顔を上げるとそこには笑顔のチアキくんがいた











「チアキくん！」

チアキ「一人で何してるの？」

「あ、友達とお昼食べる予定だったんだけど友達来れなくなっちゃって」

チアキ「ふーん」









聞いてきたのになんだか興味なさそう

チアキくんは周りに誰もいないことを確認して私の横に腰掛けた






どうしてだろう









チアキくんと話しててもあまりドキドキしない

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