振り向いてくれない彼女【霧隠ラント】

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ラント side






“勝敗は既に決まっているからさ、これ以上関わらないでくんね“







あの時の言葉が頭から離れない


蛇山は、Aのことを想っていたんだ






もう私が入る隙はない
蛇山かA、どちらかが好きと言ってしまえばあの二人は……









ラント「はぁ……」









考えたくもないことを自然と考えてしまうなは何故だろうか


あの日から俺はAを避けるように過ごしている
彼女の顔をみると辛くなってくるんだ









本当はいつもみたいに話したり昼食をとりたい

でも、これも彼女の為なら俺は大丈夫









もう終わった恋にしよう











ﾄﾞﾝｯ










ラント「つっ…おい、廊下は走る…」

「ラントくん！！！」







曲がり角で生徒とぶつかった
その生徒に注意しようとすると目の前にはAの姿が




……タイミングが悪いな









ラント「Aっ…」

「ラントくんやっとみつけた。最近私のこと避けてたから」

ラント「…」







避けてるつもりは無いといえばそれは嘘になる

Aの日々の行動を把握した上で避けていたのだ










「ねぇラントくん、私なにか嫌なことした？もしかしたらチアキくんと言い合いしたことと関係ある？」

ラント「っ！」








“邪魔しないでくれる？“









“気づいてんでしょ、コイツの気持ち“












あぁ、関わらない方がいいのは分かっている

でもまだ希望はあるんだから近づくくらいはいいじゃないか










グッと頭を抱える








「ラントくん…？大丈夫？」

ラント「くっ……」








感情がぐちゃぐちゃになってしまい声が出なくなった

俺らしくない、目の前には彼女がいるというのに

辛い








「……あのね、ラントくん」











Aは俺の手を握った

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